クラブ別2022年振り返り:バイーア (Bahia)

投稿者: | 2023年1月19日

クラブ紹介 バイーア ブラジル サッカー Bahia

バイーア (Bahia)

正式名称:Esporte Clube Bahia

略称:BAH

創立:1931年

本拠:バイーア州 サウヴァドール

《 主要タイトル 》

タイトル優勝回数優勝年
ブラジル全国選手権21988, 1959

《 直近3年成績(2020年-2022年) 》

大会2022年成績2021年成績2020年成績
ブラジル全国選手権18位14位
ブラジル全国選手権2部4位
コパ・ド・ブラジルベスト16敗退ベスト16敗退1回戦敗退
コパ・スウアメリカーナ予選R敗退準々決勝敗退
バイーア州選手権グループR敗退準決勝敗退優勝
コパ・ド・ノルデスチグループR敗退優勝準優勝
各大会の概要は、当ブログ記事「主要大会と年間日程」を参照ください。

《 全国選手権 順位推移(2006年-2022年) 》

現行レギュレーション(20チームによるホーム&アウェア方式2回戦総当たり)で開催された2006年以降の全国選手権順位推移です。

《 2022年 》

<戦績>

大会試合数勝数引分数敗数得点失点得失点差勝点率(%)順位
全国選手権2部3817111043291454.44位
コパ・ド・ブラジル402235-216.7ベスト16敗退
州選手権84131811754.26位
コパ・ド・ノルデスチ9333139444.41回戦敗退
   5924171877542350.3

<全国選手権2部 年間順位推移>

<振り返り>

 ECバイーアは、前年10月の監督に就任し、2部降格を回避できなかったものの、15試合5勝5分5敗の成績を残したグート・フェヘイラ(Guto Ferreira)監督との契約を延長して2022年シーズンに臨む。

【州選手権、コパ・ド・ノルデスチ】

 1月にグループラウンドが開幕し4月上旬の決勝戦まで並行して開催されるバイーア州選手権とコパ・ド・ノルデスチ。
 バイーア州には強豪クラブがいないため、州選手権は例年控えメンバーを中心に挑み、全国選手権1部チームも複数参戦するコパ・ド・ノルデスチには例年主力メンバーを中心に臨む。しかし、2022年は両大会とも主力メンバーを試合に起用していく。
 ところが、州選手権は、グループラウンドを3勝3分3敗の成績で10チーム中6位。
 コパ・ド・ノルデスチは16チームが8チーム2グループに分かれ別グループの8チームと対戦する珍しい大会形式なのだが、バイーアはグループラウンドで4勝1分3敗の成績でグループ5位に終える。
 両大会ともに終盤にはチーム内の連携が改善し勝ち星を積み重ねたものの、前半の不振を取り返すとこができず、グループラウンドでの敗退となった。

【コパ・ド・ブラジル】

 前年のコパ・ド・ノルデスチ優勝を受け、コパ・ド・ブラジルは3回戦からの登場。
 3回戦1stレグは、4月19日ホームでのアズーリスフッテボウ戦、4日前に1-0で勝利した全国選手権2部第2節ナウチコ戦とほぼ同じメンバーで臨むが0-0の引き分けで終える。
 5月10日アウェイでの2ndレグは、直近の試合から1週間空けての試合となり主力メンバーで臨むが前半11分に失点。後半40分過ぎになんとか追いつき、PK戦の末4回戦進出を決める。
 4回戦の相手は全国選手権1部アトレチコ・パラナエンセ。
 1stレグ(6月22日ホーム)、前半4分、ペナルティアークやや右からのFKをムギニ(Mugini)が直接決め、早くも先制点を奪う。しかし、前半10分に同点に追いつかれると、前半31分にカウンターから失点。ホームでの1stレグを1-2で落とす。
 2ndレグ(7月12日アウェイ)、前半5分、右CKをデ・ルッカ(De Lucca)が踵で球筋を変えると、マテウス・ダヴォー(Matheus Davó)がほぼバイシクルのような形でダイレクトボレーを決め先制、2試合合計も2-2の同点に追いつく。前半13分、相手ゴール近くのゴールライン際でマテウス・ダヴォーがボールを奪い、相手GK/GOLがニアに詰めたところを中央へマイナスのパスを送る。しかし、ガブリエウ・シャヴィエルの大きく空いたゴールへのシュートは枠上に外れてしまう。その後も速い攻撃で度々相手ゴールに迫るが得点を奪えない。
 後半はややオープンな展開となりお互いに相手ゴールに迫る。すると、後半33分、右CKから失点。AT+3分には前がかりになったところをカウンターから失点し1-2で敗戦。2試合合計2-4のスコアでコパ・ド・ブラジルは4回戦で敗退。

【全国選手権2部】

 州選手権、コパ・ド・ノルデスチのグループラウンドでの敗退を受け、全国選手権2部開幕まで約3週間の間隔が空く。この期間は休養と守備の再構築に充てられる。
 全国選手権2部開幕節(4月8日)でクルゼイロを2-0で下すと、第2節も無失点で勝利。
 開幕前に再構築された守備が効果を発揮し幸先のいいスタートを切る。一方で、攻撃に人数をかけられず得点力不足が懸念される。第6節に4得点を奪うが、第14節までに無得点試合が5を数え、複数得点も4試合に限られる。
 第14節に2試合連続で0-1のスコアで連敗を喫すると、グート・フェヘイラ監督は解任。8勝1分5敗15得点8失点、昇格圏内の3位の成績を残し、バイーアを後にする。
 後任にエンデルソン・モレイラ(Enderson Moreira)監督が就任、攻撃の再構築を行う。フォーメーションは3バックを採用、中盤を厚くしてボールを奪いに行くスタイルを落とし込む。
 クラブもFW/ATAの補強を進め、8月初めに2014年全国選手権最優秀選手ヒカルド・ゴウラール(Ricardo Goulart)、アトレチコ・ナシオナル/コロンビアでリベルタドーレスを獲得しサントスでも活躍したコペッチ(Copete)の2人の実績のあるベテランをレンタルで獲得する。
 モレイラ監督の戦術は、ボールの奪いどころがゴールに比較的近く得点は増えたものの、プレスを掻い潜られた際に大きなスペースを与え失点も多くなる。また、レンタルで加入した2人のベテランもフィットしたとは言えない状況で、勝ち負けを繰り返す。
 第29節から4試合勝ち星に見放されると、クラブはモレイラ監督を解任。モレイラ監督は全国選手権2部を7勝6分5敗21得点16失点、昇格圏内の3位を維持しバイーアを去る。(その他コパ・ド・ブラジルで1敗)
 第33節からはエドゥアルド・バホッカ(Eduardo Barroca)監督が指揮を執り、最終節を待たずに第37節終了後に翌年の1部復帰を決める。バホッカ監督は2勝4分の成績を残すが2023年に向けて契約は延長されず、1部昇格を置き土産にバイーアを去った。
(バイーアは3位で最終節を終えたものの、選手権終了後にスポーツ裁判所の判決で4位ヴァスコダガマに勝点2点が加算されたため、最終順位は4位で確定している。)
   選手権前半 :  10勝 4分 5敗、得点21失点10
   選手権後半 :   7勝 7分 5敗、得点22失点19
   選手権合計 :  17勝11分10敗、得点43失点29

<チーム内個人成績・記録>

* 参照元:サッカーサイト「Ogol」

記録選手公式戦計全国選手権ブラジル杯州選手権北東部杯
最多試合出場イグナシオ
(Ignácio)
– CB/ZAG
5235458
(2位)ダニエウ
(Daniel)
– MF/MEI
5233487
(3位)デ・ルッカ
(De Lucca)
– VOL
4931468
最多出場時間イグナシオ
(Ignácio)
– CB/ZAG
45453060360405720
(2位)ダニエウ
(Daniel)
– MF/MEI
39232645352451475
(3位)デ・ルッカ
(De Lucca)
– VOL
39042535325498546
最多得点ロダジェガ
(Rodallega)
– FW/ATA
131048
(2位)マテウス・ダヴォー
(Matheus Davó)
– FW/ATA
109100
(3位)ムギニ
(Mugni)
– MF/MEI
76100
最多アシストダニエウ
(Daniel)
– MF/MEI
74012
(2位)ムギニ
(Mugni)
– MF/MEI
54010
(3位)ホナウド
(Ronaldo)
– FW/ATA
50014
最多デュエル勝利ヘゼンデ
(Rezende)
– MF/MEI
140
(2位)ジャカレー
(Jacaré)
– FW/ATA
115
(3位)ダニエウ
(Daniel)
– MF/MEI
110
最多キーパスデ・ルッカ
(De Lucca)
– VOL
58
(2位)ムギニ
(Mugni)
– MF/MEI
34
(3位)マテウス・ダヴォー
(Matheus Davó)
– FW/ATA
31
最多CBIイグナシオ
(Ignácio)
– CB/ZAG
161
(2位)ルイス・オターヴィオ
(Luiz Otávio)
– CB/ZAG
151
(3位)ヘゼンデ
(Rezende)
– MF/MEI
92
※
デュエル勝利 : 一対一でのイーブンボールの奪い合いでボールを獲得すること
キーパス : パスの受け手がシュートを打てた時にカウントされる指標
CBI : クリア、ブロック、インターセプト

《 2023年に向けた取り組み 》

組織変更とシティフットボールグループへの参画

 2022年12月、クラブ総会でサッカー部門の会社組織への改編が採決、シティフットボールグループによる発行株式の90%取得もあわせて採決されたことにより、バイーアはシティフットボールグループの一員として2023年シーズンを迎える。
 2023年に向けヘナト・パイヴァ(Renato Paiva, 1970)氏を監督に招聘。
 ヘナト・パイヴァ氏は長年ベンフィカ/ポルトガルの育成世代やBチームの監督を務め、2021年に初めてベンフィカを離れエクアドルのインデペンディエンテ・デル・バジェに監督として就任。その年にエクアドルリーグ優勝を飾る。2022年途中からクラブ・レオン/メキシコの監督を務める。
 ヘナト・パイヴァ監督の戦術は、4バックと3バックを併用し、ゴールからの攻撃ではボランチが下がるか、または積極的にGK/GOLが参加し、2人のCB/ZAGと3人で底を作り、SB/LAT、WB/ALAは高めの位置でサイドライン際に張る。細かいパスにはこだわらずロングボールを効果的に利用。攻撃時には前線に5人が並び両翼が大きく開く。
 守備ではラインを高く保ち、中盤をコンパクトにし、高い位置でプレスをかける。GK/GOLが最終ラインの後ろの広い範囲を管理。GK/GOLは足元の技術と広範囲をカバーする判断力が要求され、CB/ZAGは前線のスペースを見つける視野の広さとパス精度が要求される。

【補強】

 新生バイーアは、選手獲得にクラブ史上最大の投資を行い、2023年1月16日現在で、すべてのポジションで補強を進めている。
 GK/GOLには、2021年にフルミネンセでレギュラーを獲得しながら2022年はクルゼイロから加入したファビオの第2GKに甘んじたマルコス・フェリピ(Marcos Felipe, 1996)を獲得。
 CB/ZAGには、それぞれボタフォゴ、コリンチャンスで一時期ではあるがレギュラーを掴んだカヌー(Kanu, 1997)とハウーウ・グスタヴォ(Raul Gustavo, 1999)。左SB/LAEにインデペンディエンテ・デル・バジェからエクアドル世代別代表のジョアネル(Jhoanner, 2002)を獲得。
 中盤には、ウルグアイの世代別代表歴のあるVOLニコラス・アセベド(Nicolás Acevedo, 1999)とマンチェスターシティからのレンタル移籍でMF/MEIジエゴ・ホーザ(Diego Rosa, 2002)が加入。
 FW/ATAには、2022年にグレミオでブレークしたビエウ(Biel, 2001)、2020-2022年に鹿島アントラーズでプレーしたエヴェラウド(Everaldo, 1991)、マンチェスターシティからのレンタル移籍で世代別代表経歴のあるFW/ATAカイキ(Kayky, 2003)を獲得。
 豊富な資金力とネットワークの広さを利用し、監督が要望する補強を進め、即戦力と将来を見据えた戦力を獲得している。
 2023年は、2部4位からの昇格ではあるが、全国選手権で上位に食い込む可能性を十分に秘めている。

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