〖世代別代表選手 現在地〗 2020東京五輪U-23 3/3

投稿者: | 2024年3月25日
2024/03/25 新規投稿

過去の各育成カテゴリー「W杯」「南米選手権」等の国際大会におけるブラジル代表の成績、および、代表選手のその前後の経歴や、投稿日現在の状況を追いかけてみたいと思います。成績等のデータは、サッカーサイト「oGol」を中心に「Wikipedia」などを参照しています。

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<FW>

パウリーニョ(Paulinho, 2000/7/15)

– 大会前

   2010年にヴァスコ・ダ・ガマ下部組織に入団。2016年12月に3年間のプロ契約を締結。2017年7月12日全国選手権第13節ヴィトーリア戦にて後半45+3分にピッチに送り出され16歳363日でのプロデビューを飾る。すると、その2分後の後半45+5分にワンツーで預かったボールを縦に送りアシストを記録する。
   7月23日自身トップチームでの3試合目となる全国選手権第16節アトレチコ・ミネイロ戦にて初スタメンに抜擢されると、前半14分、MFダミアン・エスクデロ(Damián Escudero, 1987)のスルーパスに反応し、守備ライン裏に抜け出しプロ初ゴール。さらには後半23分にもこの日2得点目のゴールを記録。以降はU-17W杯出場のためチームを離脱した約2か月間を除き最終節まで全試合に出場する。
   2017年は2月に南米U-17選手権、10月にはU-17W杯に出場。
   2018年は年初からリオデジャネイロ州選手権、リベルタドーレス予備予選、本戦の多くの試合に先発出場。そして、4月4日リベルタドーレスGR第5節クルゼイロ戦でヴァスコ・ダ・ガマでの最後の試合を迎える。
   2018年4月25日、バイエル・レバークーゼン/GERへの移籍が内定。契約期間は5年、移籍金は2000万ユーロ、背番号は「7」。移籍時期は、FIFAの規定で国際移籍が認められる18歳の誕生日の2018年7月15日。
   2018年8月18日カップ戦にて後半29分にバイエル・レバークーゼンでのクラブデビューを果たすが、ヨーロッパリーグで3度の先発起用はあったものの、リーグ戦はほとんどが後半半ば以降の途中交代による15試合の出場にとどまり、得点はヨーロッパリーグでの1得点に終える。
   2019/20シーズンも前シーズンと変わらず、数試合に一度、後半半ば以降に交代出場するのみに止まり、シーズン終盤にはトレーニング中に膝に大ケガ。
   2020/21シーズンは前シーズン終盤の膝のケガの影響でほぼ一シーズンを棒に振り、最終節に先発に起用され66分間出場するのみに終えた。
   一方で、世代別代表では、2019年6月開幕トゥーロン国際大会にて5試合301分2得点、2019年9~11月にかけて開催された6試合のU-23国際親善試合に出場、2020年1月開幕東京五輪南米予選8試合517分3得点1アシストを記録。そして、クラブでのケガも癒え、2021年7月15日東京五輪直前のUAEとの国際親善試合に出場し東京五輪に挑む。

– 大会後

   東京五輪は準決勝メキシコ戦に先発出場。他は4試合に途中交代出場を果たし、グループラウンド第1節ドイツ戦で1得点を記録。
   2021/22シーズンは大幅に出場機会が増え、ブンデスリーガにて24試合(うち先発14試合)4得点1アシストなど、1シーズン通算で31試合1600分以上の出場時間を刻み4得点2アシストを記録。
   しかし、翌2022/23シーズンは以前の状況に戻り、試合出場機会に恵まれず、欧州他クラブからのオファーがあるにもかかわらずバイエル・レバークーゼンが交渉の席に着かないことから、クラブに対する不信感が高まっていく。
   2022年12月1日アトレチコ・ミネイロが2023年6月末までの期限付き移籍によるパウリーニョの獲得を発表。2023年1月21日ミナスジェライス州選手権開幕節にて先発出場によるクラブデビュー。翌第2節ではクラブ初ゴールを記録。
   攻撃的なスタイルを標榜するエドゥアルド・クーデ(Eduardo Coudet)監督のもと、FWフッキ(Hulk, 1986, 元ブラジル代表、Jリーグで約3年半のプレー歴)やFWクリスチャン・パボン(Cristian Pavón, 1996, 元アルゼンチン代表、2018W杯ベスト16フランス戦にてFWメッシ、FWディ・マリアと共にスリートップの一角として先発出場)、他の選手との連係も良く、次々に得点に絡んでいく。
   6月にクーデ監督の突然の辞任により監督が交代すると、約2か月間連係面の細かい部分が噛み合わず、パウリーニョのみならずチーム全体が攻撃面で停滞していく。しかし、8月半ばには連係面の不安も解消されると、チームは再び攻撃的なスタイルを前面に押し出していく。
   8月20日全国選手権第20節以降の後半戦19試合でパウリーニョは15得点をマーク。最終的に20得点を記録し全国選手権得点王を獲得。2023年11月には2026W杯南米予選第5、6節に向けた代表に招集され、11月16日第5節コロンビア戦の後半24分にピッチに立ち代表デビューを飾った。
   2024年は1月24日州選手権開幕節から1試合を除き全試合に出場。グループラウンドは無得点に終えたものの、決勝ラウンド一回戦(準決勝)はホーム&アウェイで各1ゴール。今後、州選手権決勝、全国選手権、コパ・ド・ブラジル、リベルタドーレスの各大会を迎えるが、全大会で優勝が望める戦力を持つアトレチコ・ミネイロの成績は、パウリーニョの活躍が鍵を握っていると言っても過言ではない。

– 主な(世代別)代表経歴

2017年2月開幕 南米U-17選手権: チーム9試合のうち8試合(すべて先発)出場2得点
2017年10月開幕 U-17W杯: 全7試合に先発出場、3得点
2019年6月開幕 トゥーロン国際大会: 5試合2得点
2020年1月開幕 東京五輪南米予選: 8試合3得点1アシスト
2026W杯南米予選: 1試合

マテウス・クーニャ(Matheus Cunha, 1999/5/27)

– 大会前

   ブラジル北東部出身のマテウス・クーニャは地元のクラブを経てブラジル南部サンタカタリーナ州のコリチバ下部組織に入団。2016年アメリカで開催されたダラス・カップにコリチバU-20チームが参加。マテウス・クーニャはこの大会での活躍が国外クラブの注目を集め、ブラジル国内でのデビューを待たず、2017/18シーズンを前にFCシオン/SUIへ移籍する。
   FCシオン加入後間もない2017年7月27日ヨーロッパリーグ予備予選にてスターティングイレブンに抜擢され18歳でプロデビューを飾る。8月27日自身4試合目となるスイスリーグ第6節では後半開始時にピッチに送り出されると、その2分後にプロ初ゴールをマーク。翌第7節でリーグ戦初の先発に起用されると第15節まで先発出場が続く。その後、一時的に控えにまわる時期を迎えるが、2018年2月18日第22節で先発に復帰すると最終節(第36節)まで先発に起用され続け、先発復帰後の14試合で7得点3アシストを記録。シーズン通算31試合10得点3アシストの成績を残しプロデビューシーズンを終える。
   スイスでの活躍が注目され、2018/19シーズンを前にRBライプツィヒ/GERとウェストハム/ENGがマテウス・クーニャの獲得に向け競合。最終的に移籍金1500万ユーロを提示したRBライプツィヒがマテウス・クーニャを獲得。2018年6月24日に契約締結。期限は2023年6月末。
   RBライプツィヒでは、2018/19シーズンは多くの試合に出場するもののスタメンに定着できず、2019/20シーズンに入ると次第に出場機会が減少していく。
   東京五輪南米予選出場中の2020年1月31日付でヘルタ・ベルリン/GERと契約。移籍金は非公表ながら推定2000万ユーロ。2020年2月9日東京五輪南米予選最終節を終えるとクラブに合流。6日後の2月15日ブンデスリーガ第22節にていきなりスタメンに起用されクラブデビュー。2月28日第24節でクラブ初ゴールを決めると4試合連続ゴールを記録した。
   2020/21シーズンは開幕節からスタメンに定着。第8節までに7得点4アシストを記録。その後は得点、アシストはなかなか生まれなかったものの、シーズン終盤まで主力として試合に出場し、東京五輪を迎える。

– 大会後

   東京五輪は、準決勝を除く5試合に出場し3得点1アシスト。
   2021/22シーズンは8月15日ブンデスリーガ開幕節に先発出場しアシストを記録。しかし、これがヘルタ・ベルリンでの最後の試合となる。
   2021年8月25日、アトレティコ・マドリードへの移籍が発表。5年契約、移籍金3000万ユーロ。
   8月29日ラ・リーガ第3節にて後半35分にピッチに送り出されクラブデビューを飾る。しかし、その後は途中交代出場が続きなかなか先発の機会が訪れない。10月29日第11節にてクラブ初ゴール、11月3日にはチャンピオンズリーグに出場、11月28日第15節にて17分間の出場時間で1得点1アシストを記録すると、翌第16節(12月4日)マジョルカ戦にて初めてスタメンに起用、試合では1ゴールをマークする。しかし、その後も先発出場の機会は限られクラブ一年目のシーズンを終える。
   2022/23シーズンを迎えても状況は変わらず、2022年12月20日にウルヴァーハンプトン/ENGへの一年間の期限付き移籍が発表。一定条件をクリアすると契約満了時に移籍金5000万ユーロでの買取義務が発生する条項が付される。
   2023年1月3日プレミアリーグ第19節にて後半21分のクラブデビュー。続くカップ戦2試合に途中出場を果たすと、1月14日第20節にて先発出場。その後は多くの試合で先発に起用され、2得点2アシストの成績を残す。
   2023/24シーズンはプレミアリーグ開幕節からスタメンに定着。2024年3月25日現在、プレミアリーグは開幕から24試合連続先発出場を果たし9得点6アシストを記録。しかし、2月中旬に太ももにケガを負い、シーズン内の復帰は危ぶまれている。カップ戦を含め、28試合11得点7得点で得点、アシストともにキャリアハイを更新していただけに、本人や残留争いに巻き込まれているチームにとって痛い離脱となっている。
   ブラジル代表としては、アトレティコ・マドリード移籍直後の2021年9月2日、9日に2022W杯南米予選第9、10節の両試合に交代出場(フル代表デビュー)。2021年11月16日第14節アルゼンチン戦では先発起用。2022年1月27日第15節、2月1日最終節も先発出場。2022W杯を見据えた2022年6月と9月各2試合ずつ開催された国際親善試合にはそれぞれ1試合ずつ途中交代出場を果たすが、W杯本戦での代表には選出されることはなかった。

– 主な(世代別)代表経歴

2019年トゥーロン国際大会: 5試合4得点3アシスト
2020年1月開幕 東京五輪南米予選: 5試合5得点1アシスト
(五輪代表として出場した南米予選、親善試合、本戦では、通算19試合17得点2アシストを記録)
2022W杯南米予選: 6試合出場
2026W杯南米予選: 3試合出場

ヒシャルリソン(Richarlison, 1997/5/10)

– 大会前

   アメリカ・ミネイロ下部組織からトップチームに昇格し、2015年7月4日全国選手権2部第10節の後半32分に交代出場を果たし18歳のプロデビューを飾る。そしてその10分後、後半42分にプロ初ゴールを記録。
   第12節で自身2得点目のゴールを記録すると、翌第13節以降はスタメンに定着。年間24試合9得点2アシストの記録を収める。
   2015年12月29日にフルミネンセへの移籍が発表。しかし、トレーニング中の左足指の骨折のためクラブデビューは2016年5月13日コパ・ド・ブラジルでのフェホヴィアリア戦にずれ込む。クラブ初ゴールは6月26日全国選手権第11節。年間で31試合に出場するものの、フルミネンセでの初年度は4得点2アシストの期待に添えない成績に終える。
   2017年U-20南米ユース選手権出場後の2月18日州選手権第5節にて先発起用から2得点を記録するとスタメンに定着。7月26日に迎えたフルミネンセでの最後の試合までの159日間で36試合に出場、15得点2アシストの成績を残した。
   2017年7月31日ワトフォード/ENGへの移籍がフルミネンセより発表。就労ビザも下りた後の8月8日ワトフォードは契約が締結された旨を発表する。移籍金は1250万ユーロ。2017年8月12日プレミアリーグ開幕節で後半4分にクラブデビューを飾ると、翌第2節では先発に起用され、後半28分に移籍後初ゴール。そのまま先発に定着し、プレミアリーグ全38試合(うち先発32試合)に出場、5得点4アシストを記録。
   2018年7月24日、エヴァ―トン/ENGが4500万ポンドの移籍金で獲得。2018年8月11日プレミアリーグ開幕節にて先発起用から2ゴール。このシーズンはプレミアリーグにて35試合(うち先発32試合)13得点1アシスト、カップ戦2大会で3試合1得点を記録。
   2019/20シーズンはプレミアリーグ36試合(うち全試合先発)13得点3アシスト。カップ戦5試合2得点1アシスト。
   2020/21シーズンはプレミアリーグ34試合(うち先発33試合)7得点3アシスト。カップ戦6試合6得点。
   2018年9月7日、国際親善試合アメリカ戦にて後半30分にピッチに送り出され21歳での代表デビューを飾る。
   2020年10月、11月には2022W杯南米予選第1~4節に出場し2得点。
   2021年6月には、2022W杯南米予選第7、8節に出場し1得点。
   クラブ、フル代表で十分な実績を残し東京五輪に参戦する。

– 大会後

   東京五輪は全6試合に出場。出場時間567分5得点1アシストを記録。大会得点王。
   2021/22シーズンは2度の離脱もあり、プレミアリーグ30試合(うち先発28試合)10得点5アシスト。カップ戦4試合1得点。   
   2022年7月1日トッテナム/ENGよりヒシャルリソン獲得が発表される。移籍金は固定5000万ポンド+ボーナス1000万ポンド。
   クラブデビュー戦となった2022年8月14日プレミアリーグ第2節から第5節までは途中交代による出場。9月7日チャンピオンズリーグGRマルセイユ/FRA戦で先発に起用されると、後半31分、クロアチア代表FWイワン・ペリシッチのクロスにゴール前でフリーの態勢で頭に合わせクラブ初ゴール。さらに5分後にも再び頭でゴールを奪う。
   幸先のいいスタートを切ったものの、その後はなかなかゴールに絡むことができず、チャンピオンズリーグ6試合2得点。プレミアリーグ27試合(うち先発12試合)1得点3アシストと、自他ともに満足のいかない成績でトッテナムでの一年目のシーズンを終えた。
   2023/24シーズンも序盤は前シーズン同様に得点に絡むことができず、精神的にも追い詰められ、負のスパイラルに陥る。しかし、監督を含めたチームのサポートもあり、徐々に調子を上げていくと、2023年12月10日第16節での2ゴールを皮切りに3試合連続ゴール。その後も好調を維持し、第16節以降のプレミアリーグ8試合で9得点とそれまでの鬱憤を晴らすかのような復活劇。2月中旬に試合中のケガのためチームを離脱したものの、3月16日には無事復帰を果たした。
   代表では、2022年3月24日W杯南米予選第17節にて9試合ぶりに出場を果たすと1得点、続く3月29日第18節は2得点を記録。2022年6月、9月の国際親善試合は全4試合に出場し4得点1アシスト。
   2022W杯本戦ではGR開幕節セルビア戦にて2得点、ベスト16韓国戦にて1得点など、4試合3得点の成績を収めた。
   2023年6月の国際親善試合2試合、2023年9月と10月に開催された2026W杯南米予選第1~4節に出場。しかし、この期間は代表、クラブのいずれも過度な不振に陥っており結果を残すことができない。続くW杯南米予選第5、6節は選外となったものの、その後クラブで復活の兆しが見えたこともあり、2024年3月の2試合の国際親善試合に向けた代表に復帰を果たしている。

– 主な(世代別)代表経歴

2017年U-20南米ユース選手権: 8試合2得点
2019コパ・アメリカ: 3試合1得点
2021コパ・アメリカ: 7試合1得点1アシスト
2022W杯南米予選: 8試合6得点
2022W杯: 4試合3得点
2026W杯南米予選:  4試合出場

アントニー(Antony, 2000/2/24)

– 大会前

   2010年10歳の時にサンパウロ下部組織に入団。2018年にはサンパウロU-17チームの一員として「2018JリーグU-17チャレンジカップ」出場のため来日。同大会では最優秀選手賞を受賞。
   2018年11月15日全国選手権第34節グレミオ戦にて後半25分にピッチに送り出され18歳でプロデビューを飾る。
   2019年1月開催U-20全国大会カップ戦で9試合4得点5アシストの活躍でチームを優勝に導くと大会最優秀選手賞を獲得。大会閉幕後にトップチームに昇格し、約一か月で右サイドの攻撃的なポジションでレギュラーの座を掴む。
   翌2020年1月開幕の東京五輪南米予選に出場し、5試合1得点1アシストの成績を残すが、五輪出場権獲得を賭けた決勝ラウンド最終節アルゼンチン戦では出場機会は訪れなかった。
   アルゼンチン戦から6日後の2020年2月15日、アヤックス/HOLへの移籍内定が発表、移籍金2900万ユーロ。
   2020年2月22日州選手権第9節で同年サンパウロでの初試合を迎え、リベルタドーレスでの2試合を経て、2020年3月14日州選手権第10節サントス戦に出場。この試合後にコロナ感染症拡大による自粛期間に入りシーズンが中断。結局サントス戦がサンパウロでの最後の試合となった。
   2020年9月13日オランダリーグ開幕節にてスタメンに起用されると、前半37分に自らのクラブデビューを祝うクラブ初ゴールを記録。10月27日にはチャンピオンズリーグでのデビューを飾る。2020年内のシーズン前半戦は、19試合に出場し8得点8アシスト、後半戦は得点に絡む数字は失速したものの、アヤックスでのファーストシーズン(2020/21)は46試合11得点9アシストの成績を残した。

– 大会後

   東京五輪は全6試合に先発出場。数多くのスプリントで同サイドのベテランSBダニエウ・アウヴェスと好機を演出し、スタミナ面と守備面で不安のあるダニエウ・アウヴェスのカバーを行いしばしば自陣ゴールライン際まで守備に戻るなど献身的なプレーを披露。決勝スペイン戦では、延長後半3分、疲労が溜まる中で自陣右サイドから相手陣やや左のFWマウコンへ約30mの正確なパスを通し決勝ゴールをアシスト。ブラジル代表を金メダルに導いた。
   2021/22シーズンもアヤックスで主力として活躍。
   2021年10月7日には、2022W杯南米予選第11節ベネズエラ戦の後半32分にピッチに立ち21歳での代表デビュー。後半45+5分にはゴール前に駆け上がりFWハフィーニャのゴールライン際からのマイナスのボールをダイレクトに足に合わせ代表初ゴールを記録。以降の南米予選の全試合に出場。
   2022年8月28日、マンチェスターユナイテッド/ENGとアヤックスの間でアントニーの移籍が合意。移籍金は固定9500万ユーロ+ボーナス500万ユーロの総額1億ユーロ。
   2022年9月4日プレミアリーグ第6節にてスタメン起用でクラブデビューを果たすと、前半35分にクラブ初ゴールを記録。その後ポジションに定着。
   2022/23シーズンは、アヤックスにて3試合2得点2アシスト。マンチェスターユナイテッドにて44試合8得点3アシスト。
   2022W杯はグループラウンド第3節カメルーン戦での先発起用など、4試合出場時間171分を記録した。
   2023/24シーズンもレギュラーとして開幕を迎えたが、9月に約一か月間チームを離脱。復帰後も記録上得点に関与するプレーがなく、ベンチスタートとなる試合が次第に増えていく。2024年1月28日のカップ戦で今季初ゴールを記録。3月27日もまたカップ戦でゴールを奪うが、3月25日現在、プレミアリーグでは22試合953分間の出場でゴール、アシスト共に記録はない。

– 主な(世代別)代表経歴

2019年トゥーロン国際大会: 4試合2得点
2020年東京五輪南米予選: 5試合1得点1アシスト
2022W杯南米予選: 9試合2得点1アシスト 
2022W杯: 4試合

マウコン(Malcom, 1997/2/26)

– 大会前

   コリンチャンス下部組織でサッカー選手としてのキャリアをスタートさせたマウコンは、2014年1月末にトップチームに昇格、2014年3月19日コパ・ド・ブラジル一回戦にて後半36分に交代出場でピッチに立ち17歳でのプロデビューを飾る。しかし、その後は2試合で10分前後のプレーするにとどまり、ベンチを温める試合が続く。
   9月7日全国選手権第19節クリシウーマ戦、約4か月半ぶりの試合で先発に抜擢。続く2試合は途中交代出場だったものの、9月18日第22節シャペコエンセ戦で先発に返り咲くと、前半10分、ペナルティエリア内右でボールを受けディフェンダーとの一対一を制し左足のシュート。これがゴールネットを揺らし、17歳にしてプロ初ゴールを演出。その後ポジションに定着しシーズンを終える。
  2015年は1月にU-20南米ユース選手権に出場、6試合1得点を記録。クラブに戻るとチチ(Tite)新監督のもとでも4-4-2のツートップの一角として定着。全国選手権では、5月開幕のU-20W杯出場(5試合)のためチームを離脱した期間を除くほぼ全試合に出場。チームの選手権制覇の立役者の一人となる。 
   2016年1月30日ボルドー/FRAへの移籍が発表。移籍金は500万ユーロ。2016年2月7日リーグアン第25節にてスタメン起用でクラブデビューを飾ると、3日後の2月10日カップ戦での後半38分にピッチに送り出されると、延長戦前半8分にクラブ初ゴールを記録した。
   2015/16シーズンは先発と途中出場を繰り返したが、2016/17はレギュラーの座を掴み、リーグアンでは37試合に出場するなど、年間44試合8得点4アシストの成績を残す。
   翌2017/18シーズンは38試合12得点7アシスト。得点、アシストはボルドーに在籍した3年間で最多の数字をたたき出しボルドーを後にする。
   2018年7月24日、バルセロナ/ESPが21歳のマウコンの移籍加入を発表。移籍金は4100万ユーロ。8月25日ラ・リーガ第2節にて後半39分にピッチに送り出されクラブデビュー。自身4試合目の出場となる11月6日チャンピオンズリーグ第4節インテルナツィオナーレ戦、後半36分に交代出場を果たすと、その2分後の後半38分、対峙するディフェンダーの背後を通す振りの短いシュートでゴールネットを揺らし、クラブ初ゴール。
   2018/19シーズンは、24試合(うち先発11試合)4得点2アシストの記録を残すが、前シーズンに加入した同じ歳のデンベレ(Dembélé)とのポジション争いに敗れる形でシーズン終盤には他クラブへの移籍話がいくつも囁かれるようになる。
   2019年8月2日ゼニト/RUSがマウコンの獲得を発表。契約期間は5年、移籍金は固定4000万ユーロ+ボーナス500万ユーロ。2日後の8月4日ロシアプレミアリーグ第4節後半26分に途中交代出場でクラブデビュー。翌5節も途中出場を果たすが、3試合目の出場はケガや冬季休止期間を挟んだこともあり半年後の2020年2月29日第20節となる。しかし、この試合にて先発に起用されると、その後は中盤の攻撃的なポジションに定着し残るリーグ戦全試合に出場。カップ戦の準決勝、決勝にも先発で出場し、チームのリーグ戦、カップ戦の二冠に貢献した。
   続く2020/21シーズンも、ケガによる一か月半の離脱期間はあったものの、年間を通じてチームの主力として活躍。チームのロシアプレミアリーグ連覇に貢献し、東京五輪を迎える。

– 大会後

   東京五輪は全6試合のすべてに途中交代出場。決勝スペインでは延長戦開始時にピッチに送り出され、延長後半3分に右サイドFWアントニーからのロングパスを受け、ディフェンダーのマークを振り払い、GKとの一対一を冷静に決める決勝ゴール。チームを金メダルへと導いた。
   2021/22シーズンは、五輪を共に戦ったMFクラウジーニョの加入もあり、シーズンの後半にはゴールにより近い位置でのプレーを担い、35試合9得点7アシスト。
   2022/23シーズンはMFクラウジーニョとのコンビが冴えわたり、年間33試合26得点6アシストを記録。ゴール数はキャリアハイを記録。ロシアプレミアリーグの最優秀選手賞と得点王を獲得。シーズン終了後の2023年6月には、バルセロナ在籍時2018年10月以来となるフル代表への招集(2018年の招集時は出場機会なし)を受け、2023年6月7日ギニア戦の後半37分にピッチに送り出され代表デビュー。6月20日セネガル戦ではスタメンに抜擢された。
   2023年7月24日、アル・ヒラル/KSAがマウコン獲得を発表。移籍金はロシアリーグ史上最高額の総額6000万ユーロ(固定4500万ユーロ+ボーナス1500万ユーロ)。
   アル・ヒラルは2024年3月16日の勝利により公式戦29連勝となり世界記録を更新中。引き分けを挟むと37戦連続無敗の34勝3分無敗。シーズン当初からの成績は43戦37勝4分2敗。うちマウコンは38試合34勝4分1敗16得点8アシストを記録。
   世界のサッカー界の主流からは外れてしまったものの、ロシア、サウジアラビアではチャンスメーカーとしてもストライカーとしても輝きを取り戻している。2024年3月現在で27歳。今後、西ヨーロッパの世界最高峰クラスのリーグへの捲土重来はみられるだろうか。

– 主な(世代別)代表経歴

2015年1月開幕 U-20南米ユース選手権: 6試合1得点
2015年5月開幕 U-20W杯出場: 5試合
2023年フル代表国際親善試合: 2試合

ガブリエウ・マルチネリ(Gabriel Martinelli, 2001/6/18)

当ブログ紹介記事: ガブリエウ・マルチネリ (Gabriel Martinelli)

– 大会前

   2010年9歳の時に名門コリンチャンス下部組織に入団。数多くのボールを記録し将来を嘱望されるが家族の転居を受け2015年にイトゥアーノ下部組織に移籍する。イトゥアーノは当時全国選手権4部への参入や除外を繰り返す決して強豪とは言えないクラブだった。
   しかし、コリンチャンス時代から受けていた国外クラブからの関心は衰えず、イトゥアーノユースカテゴリーでの活躍もあり、マンチェスターユナイテッド/ENG、KAAヘント/BEL、バルセロナ/ESPなど、ヨーロッパ強豪クラブのトレーニングに参加する機会に恵まれる。
   2018年3月17日、サンパウロ州選手権にて途中交代により16歳9ヶ月でのプロ初デビュー。同年9月8日、サンパウロ州サッカー連盟主催のコパ・パウリスタでプロ初得点を決める。
   2018年1月に開幕するサンパウロ州選手権では、6得点を記録し、チームのベスト8進出に貢献。また、同大会の新人賞、ベストイレブンに選出。
   2019年7月2日、アーセナル/ENGと5年契約を締結。8月11日プレミアリーグ第1節にて途中出場によりクラブデビュー。9月24日EFLカップ3回戦にてクラブ初ゴールを記録し、10月3日UEFAヨーロッパリーグでは2得点1アシストの活躍。2020年1月21日プレミアリーグ第24節でのゴールで10代でのシーズン二桁ゴールを記録した。
   2020/21シーズンは、シーズン前のケガやシーズン途中の不振により試合から遠ざかる時期もあったが、終盤には先発出場の機会も増え調子を取り戻しながらシーズンが閉幕。東京五輪に迎える。

– 大会後

   東京五輪は3試合に出場し、出場時間は75分。
   2021/22シーズンは、パフォーマンスが上がらず、シーズン序盤はベンチで過ごす試合も少なからずあったものの、2021年11月27日プレミアリーグ第13節にて途中出場からシーズン初ゴールを記録すると、12月2日第14節は先発に起用されアシストを記録。続く4試合では3得点1アシストの成績を残し、その後はカップ戦、リーグ戦で多くの試合に先発に起用される。
   2022/23シーズンのプレミアリーグは開幕節から2試合連続ゴールを記録しシーズンに突入すると、終盤まで優勝争いを演じたチームの核としてシーズン36試合に出場。ヨーロッパリーグも7試合に出場するなど、シーズン通算46試合15得点6アシストを記録、出場試合数、得点、アシストはいずれもキャリアハイの成績を収めた(アシストは前シーズンと同記録)。
   2023/24シーズン幕開けを告げる2023年8月6日マンチェスターシティとのスーパーカップでタイトルを獲得。10月24日チャンピオンズリーグにて同大会での初ゴールをマーク。2024年3月25日現在、アーセナルはプレミアリーグ首位、チャンピオンズリーグも準々決勝進出を決めている。ガブリエウ・マルチネリはチームを牽引する主力選手の一人として活躍を続けている。
   ブラジル代表としては、2022年3月24日の2022W杯南米選手権第17節チリ戦にて後半30分にピッチに送り出され代表デビュー。2022年6月6日国際親善試合日本戦に27分間の出場。
   2022W杯はチーム最年少メンバーとして代表に選出され、12月2日GR第3節カメルーン戦に90分間の出場を果たすなど、3試合出場時間111分を記録。
   2026W杯南米予選は第6節までに3試合の出場。2023年11月16日コロンビア戦では、前半4分、左サイドライン際からFWヴィニシウス・ジュニオールとの2度のパス交換で中央にポジションを移すと、最後はスライディングのシュートでゴールネットを揺らし代表初ゴール。
   2024年3月の国際親善試合に向けた代表に招集を受けたものの、ケガのため離脱。しかし、代表への招集機会や試合出場機会は増えつつあり、ブラジル代表での存在感も日増しに大きくなっている。

– 主な(世代別)代表経歴

2022W杯南米予選: 2試合
2022W杯: 3試合
2026W杯南米予選: 3試合1得点

2020東京五輪U-23代表選手一覧





















1GK /
GOL
サントス
Santos
Aderbar Melo dos Santos Neto
アトレチコ・パラナエンセ
Athletico Paranaense
1990/3/17
Overage
660000
12GK /
GOL
ブレーノ
Brenno
Brenno Oliveira Fraga Costa
グレミオ
Grêmio
1999/4/10000
22GK /
GOL
ルカォン
Lucão
Lucas Alexandre Galdino de Azevedo
ヴァスコ・ダ・ガマ
Vasco da Gama
2001/2/260000
3CB /
ZAG
ジエゴ・カルロス
Diego Carlos
Diego Carlos Santos Silva
セビージャ/ESP
Sevilla
1993/3/15
Overage
660000
4CB /
ZAG
ヒカルド・グラッサ
Ricardo Graça
Ricardo Queiroz de Alencastro Graça
ヴァスコ・ダ・ガマ
Vasco da Gama
1997/2/160000
14CB /
ZAG
ブルーノ・フッキス
Bruno Fuchs
Bruno de Lara Fuchs
CSKAモスクワ/RUS
CSKA Moskva
1999/4/10000
15CB /
ZAG
ニノ
Nino
Marcílio Florêncio Mota Filho
フルミネンセ
Fluminense
1997/4/10660000
6SB /
LAT
ギリェルミ・アラーナ
Guilherme Arana
Guilherme Antonio Arana Lopes
アトレチコ・ミネイロ
Atlético Mineiro
1997/4/14659901
13SB /
LAT
ダニエウ・アウベス
Daniel Alves
Daniel Alves da Silva
サンパウロ
São Paulo
1983/5/6
Overage
660001
16SB /
LAT
アビネル・ヴィニシウス
Abner Vinícius
Abner Vinícius da Silva Santos
アトレチコ・パラナエンセ
Athletico Paranaense
2000/5/271100
2MF /
MEI
ガブリエウ・メニーノ
Gabriel Menino
Gabriel Vinicius Menino
パウメイラス
Palmeiras
2000/9/2931500
5MF /
MEI
ドウグラス・ルイス
Douglas Luiz
Douglas Luiz Soares de Paulo
アストン・ヴィラ/ENG
Aston Villa
1998/5/9542900
8MF /
MEI
ブルーノ・ギマランイス
Bruno Guimarães
Bruno Guimarães Rodriguez Moura
リヨン/FRA
Lyon
1997/11/16659402
18MF /
MEI
マテウス・エンヒキ
Matheus Henrique
Matheus Henrique De Souza
グレミオ
Grêmio
1997/12/1929500
19MF /
MEI
ヘイニエル
Reinier
Reinier Jesus Carvalho
ボルシア・ドルトムント/GER
Borussia Dortmund
2002/1/19512200
20MF /
MEI
クラウジーニョ
Claudinho
Cláudio Luiz Rodrigues Parise Leonel
RBブラガンチーノ
Red Bull Bragantino
1997/1/28646901
7FW /
ATA
パウリーニョ
Paulinho
Paulo Henrique Sampaio Filho
バイエル・レバークーゼン/GER
Bayer Leverkusen
2000/7/15513610
9FW /
ATA
マテウス・クーニャ
Matheus Cunha
Matheus Santos Carneiro Cunha
ヘルタ/GER
Hertha BSC
1999/5/27539231
10FW /
ATA
ヒシャルリソン
Richarlison
Richarlison de Andrade
エヴァートン/ENG
Everton
1997/5/10656751
11FW /
ATA
アントニー
Antony
Antony Matheus dos Santos
アヤックス/HOL
Ajax
2000/2/24646001
17FW /
ATA
マウコン
Malcom
Malcom Filipe Silva de Oliveira
ゼニト/RUS
Zenit
1997/2/26617110
監督: アンドレ・ジャルジーニ(André Jardine)
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