【ブラジル全国選手権2024】第2節(1/2)

投稿者: | 2024年4月18日

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全国選手権第2節 対戦組合せ


以下の5試合の概要はこの記事で。
・2024/04/16 バイーア(BAH) x フルミネンセ(FLU)
・2024/04/17 グレミオ(GRE) x アトレチコ・パラナエンセ(CAP)
・2024/04/17 RBブラガンチーノ(RBB) x ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)
・2024/04/17 アトレチコ・ミネイロ(CAM) x クリシウーマ(CRI)
・2024/04/17 パウメイラス(PAL) x インテルナシオナウ(INT)
以下の4試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2024】第2節(2/2
・2024/04/17 フォルタレーザ(FOR) x クルゼイロ(CRU)
・2024/04/17 ジュヴェントゥージ(JUV) x コリンチャンス(COR)
・2024/04/
17 フラメンゴ(FLA) x サンパウロ(SAO)
・2024/04/18 ボタフォゴ(BOT) x アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)
以下の試合は順延。
・2024/04/## クイアバ(CUI) x ヴィトーリア(VIT)

全国選手権第2節 試合概要

バイーア(BAH) 2-1 フルミネンセ(FLU)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=b0TNJU3udVQ
(FLU) : 4' #14 ヘルマン・カーノ(Germán Cano, 1988)[#21 ジョン・アリアス(Jhon Arias, 1997)]
(BAH) : 34' #19 カイオ・アレシャンドレ(Caio Alexandre, 1999)[#8 カウリー(Cauly, 1995)]
(BAH) : 61' #8 カウリー(Cauly, 1995)[#6 ジアン・ルーカス(Jean Lucas, 1998)]

今節前の順位

   バイーアは全国選手権0勝0分1敗勝点0の17位。
   フルミネンセは全国選手権0勝1分0敗勝点1の8位。

得点シーン

(FLU) : 4' #14 ヘルマン・カーノ(Germán Cano, 1988)[#21 ジョン・アリアス(Jhon Arias, 1997)]
バイーアのビルドアップのボールをペナルティエリア手前でFWジョン・アリアスが奪取。FWヘルマン・カーノがゴール正面に上がりFWジョン・アリアスからのボールを受けるとGKの位置を確認しボールをゴールに蹴り込む。
   FWヘルマン・カーノは、2022年全国選手権得点王。アルゼンチン出身でコロンビアやメキシコで活躍した後、2020年にヴァスコ・ダ・ガマに加入し2年間で101試合43得点4アシスト。2022年にフルミネンセに加入し昨年までの2年間で131試合84得点10アシスト。2024年はケガのため始動が遅れたものの、この試合を含め10試合4得点1アシスト。突如ゴール前に現れワンタッチでゴールを決めるシーンが印象深く、風貌と共に「必殺仕事人」を思い起こさせる仕事ぶり。ゴール後に左手親指と人差し指で「L」字を作るパフォーマンスは愛娘の名前をもじったもの。2023年には次女も誕生し、それ以降は人差し指と中指で「L」字を形作っている。
(BAH) : 34' #19 カイオ・アレシャンドレ(Caio Alexandre, 1999)[#8 カウリー(Cauly, 1995)]
MFカウリーが蹴る右CK。高く上げられたゴールから離れていくボールは誰にも合わず、ファーサイドのペナルティエリア入口に流れる。ボールを確保したVOLカイオ・アレシャンドレがマークを外し右足を振り抜くと、ボールはファーサイドのゴールネットを揺らすゴラッソ。
   2024年新加入のVOLカイオ・アレシャンドレは、攻撃的なチーム戦術のもと、セグンドボランチとして高い位置での厳しいマーク、セカンドボールの回収、攻撃陣へのボールの供給、バランスを見てペナルティエリア付近へ上り攻撃に参加するなど、すでにバイーアの中核として存在感を示している。ボタフォゴ育成出身でプロ2年目(1年目は出場数ゼロ)に50試合に出場すると、バンクーバー/CANへ360万ユーロで移籍。しかし、一年半で出場試合数は20試合と出場機会に恵まれず、フォルタレーザへ期限付き移籍。2023年フォルタレーザでの活躍が国内複数クラブの関心を集め、2430万レアル(約7億3000万円)の移籍金でバイーアが獲得した。
(BAH) : 61' #8 カウリー(Cauly, 1995)[#6 ジアン・ルーカス(Jean Lucas, 1998)]
左サイドからのボールをペナルティエリア手前やや左で受けたMFカウリーが、右足のシュートフェイントから縦に抜け出し左足を振り抜く。ボールはファーサイドのゴールネットに刺さりバイーアが逆転。
   MFカウリーは、バイーア州に生まれたが、幼い頃にドイツへ家族とともに渡りドイツでプロデビュー。ブルガリアでの活躍後の2023年にECバイーアに加入。初の母国ブラジルでのプレーを迎えると、中盤で攻撃陣の指揮を執る活躍。シーズン後には国内複数クラブからのオファーを受けるがECバイーアに残留し、今季はこの試合を含め19試合に出場。中盤ながら5得点(4アシスト)を記録中。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:% % ⇒ 前後半:40% 60%
シュート(枠内): 前半:‐(-) ⇒ 前後半:12-8(6-3)
パス成功率: 前半:% % ⇒ 前後半:79% 86%

   試合開始直後に相手陣深くでボールを奪いシュートに持ち込んだフルミネンセは、前半4分、再びバイーアのビルドアップのボールをペナルティエリア手前で奪い先制。
   激しい雨が降る試合はピッチコンディションの悪化が酷く前半18分に中断。約一時間後に再開されると、バイーアが最終ラインを高く保ち、前線に5~6選手が並ぶ攻撃的な布陣を敷き、高い位置で左右にボールを揺さぶりフルミネンセをゴール前に押し込む。
   前半34分、CKからVOLカイオ・アレシャンドレのゴラッソでバイーアが同点に追いつくと、その後もECバイーアの勢いは衰えず、試合の主導権を握ったまま前半を終える。
   後半もバイーアが引き続き試合を支配。フルミネンセのボールの出どころへのマークが厳しく、フルミネンセに攻撃の形を作らせず、自らのターンへと繋げる。
   後半16分、MFカウリーのゴールでバイーアが逆転に成功。
   逆転を許したフルミネンセは、守備的な選手に代え攻撃的な選手を次々と投入するが、バイーアも守備の軸は下げたものの、引き続き中盤のボールの出どころへの寄せが速く、フルミネンセに効果的なボールを前線に送らせない。バイーアは疲れの見える前線や中盤の選手を入れ替える選手交代で守備のスタイルを最後まで継続。2-1のリードのまま試合を締めくくった。

   バイーアは最近の試合で消える時間帯の多かったMFカウリーが前線に近い位置でプレー。フルミネンセの守備ライン間でのフリーランニングやボールを受けるプレーがバイーアの攻撃に勢いをつけ、バイーアの2得点に絡む活躍。
   前線では各選手が有機的にポジションを変え、フルミネンセのマークを混乱に誘った。
   守備面ではセンターバックに下部組織出身のCBガブリエウ・シャヴィエル(Gabriel Xavier, 2001)を抜擢。中盤のマークが効いたこともあり、CBヴィトル・クエスタ(Víctor Cuesta, 1998)とのコンビは試合を通して安定していた。一方で、右SBサンチアゴ・アリアス(Santiago Arias, 1992)は序盤に自陣深くで2度のボールロスト。ヴィトーリアとの州選手権決勝でも自陣でボールを失う場面が複数あり、攻撃面での貢献度が高いとは言え、失点に直結しているだけに気を付けたい。

   フルミネンセは、試合立ち上がりに前線のプレスから相手のミスを誘い先制したまでは良かったものの、状態の悪いピッチとバイーアの中盤の寄せに得意のパス交換が封じられた。この試合でも相手にリードを許した後半にCBを下げ攻撃的な選手を投入する選手交代。しかし、この交代を通じて相手守備網を崩すことは稀で、結局はFWジョン・アリアスのスピードに依存することが多い。
   フェルナンド・ジニース(Fernando Diniz)監督のサッカーは、2023年中盤からは対戦相手に対策され、戦略的にも選手交代などの采配的にも閉塞感が漂っている。

グレミオ(GRE) 2-0 アトレチコ・パラナエンセ(CAP)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=k4KjUoOowRI
(GRE) : 19' #10 クリスタウド(Cristaldo, 1996)[#21 パボン(Pavón, 1996)]
(GRE) : 51' #7 ソテウド(Soteldo, 1997)[#20 ビジャサンチ(Villasanti, 1997)]

今節前の順位

   グレミオは全国選手権0勝0分1敗勝点0の15位。
   アトレチコ・パラナエンセは全国選手権1勝0分0敗勝点3の首位。

得点シーン

(GRE) : 19' #10 クリスタウド(Cristaldo, 1996)[#21 パボン(Pavón, 1996)]
左サイドライン際からVOLドッジ(Dodi, 1996)を経てペナルティエリア手前右に位置取るFWパボンにボールが渡る。FWパボンは中の動きを確認しシュート性のクロスを送ると、MFクリスタウドがGKの手前で足を合わせゴールネットを揺らす。
   MFクリスタウドは、グレミオ入団一年目の2023年に54試合11得点12アシストを記録。二列目でボールを前後左右に散らし、前線を追い抜き相手最終ライン裏に抜け出すプレーなど、多くのゴールに絡む活躍。2024年はFWルイス・スアレスが退団し、サイドで持ち味を発揮するFWパボン、FWソテウドの加入により中央でゴールに絡む機会が増え、これまで17試合7得点2アシストを記録中。
   FWパオンは元アルゼンチン代表。2018W杯ベスト8フランス戦ではメッシ、ジ・マリアとスリートップを形成しスタメン出場。2022年にアトレチコ・ミネイロに加入し、2024年シーズン開幕後の2月16日にグレミオへの加入が発表された。開幕節は消える時間も多かったが、今節は右サイドの開いた位置から中央にかけて比較的自由にポジションを変えながらプレーするとグレミオの攻撃を牽引し、自らもアトレチコGKベント(Bento, 1999)の好守に阻まれる3本の枠内シュート。後半10分には自陣ゴールライン際でのボール奪取から二度に渡り味方にボールをあて相手陣ペナルティエリアまで駆け上がり惜しいシュート。このプレーで太ももの裏を痛めベンチに下がったが、足の状態が心配される。
(GRE) : 51' #7 ソテウド(Soteldo, 1997)[#20 ビジャサンチ(Villasanti, 1997)]
   右スローインからVOLビジャサンチがペナルティエリア右隅でボールを受けるとそのまま縦にボールを運びマイナスのパス。ペナルティマークからFWソテウドがダイレクトに右足を振り抜き、DFに当たったボールがコースを変えゴールに吸い込まれる。
   FWソテウドはベネズエラ代表で39試合4得点を記録し、2026W杯南米予選では全6試合1得点1アシストを記録中。ブラジルではサントスに二度の加入で約4年間144試合21得点。2024年シーズン開幕前に一年間の期限付き移籍でグレミオに加入。州選手権での試合中のケガのため約二か月間チームを離脱したが復帰後はスタメンに定着。身長160㎝の小柄な体型ながら体幹の強い豆タンクのような体格と俊敏性、鋭いドリブル突破が特長。このゴールは1月24日州選手権第2節以来のゴール。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:% % ⇒ 前後半:48% 52%
シュート(枠内): 前半:‐(-) ⇒ 前後半:15-4(8-0)
パス成功率: 前半:% % ⇒ 前後半:81% 82%

   グレミオは開幕節のスタメンから5選手を変更。CBペドロ・ジェロメウ(Pedro Geromel, 1985)、CBグスタヴォ・マルチンス(Gustavo Martins, 2002)、右SBファビオ(Fábio, 1990)、VOLドッジ(Dodi, 1996)、FW(Galvão, 1992)が先発に起用される。
   アトレチコ・パラナエンセは、FWパブロ(Pablo, 1992)に代えFWマストリアーニ(Mastriani, 1993)の変更のみ。

   立ち上がりはグレミオがボールを支配し、ボールが相手に渡るとマンツーマンの素早いマークでボールを奪い返し、多くの時間帯をアトレチコ陣内でプレー。アトレチコは攻撃への移行に苦しむが、マークを掻い潜ると3~4人のカウンターでグレミオゴールに迫るが、ベテランCBペドロ・ジェロメウが一歩先を読んだプレーでボール奪取や中盤の帰陣の時間を作り、アトレチコ・パラナエンセにシュートまで持ち込ませない。
   前半19分、FWパボンのクロスを足に合わせたMFクリスタウドのゴールでグレミオが先制。その後、グレミオの守備の軸はやや後方に移るが、ボールを奪うと縦に速い攻めでFWパボンが2度に渡りGKベントを襲うシュート、中盤の寄せは鈍ることなくアトレチコ・パラナエンセに攻撃の形を作らせない。前半のうちにアトレチコ・パラナエンセは選手交代を行うが試合の形勢は変わらない。
   後半に入りアトレチコ・パラナエンセはさらに2選手を交代。しかし、試合の流れを変えることができない。グレミオはボール奪取から縦に素早くボールを運び、後半6分にFWソテウドのゴールでリードを拡げる。
   グレミオは最後まで中盤の守備が機能。ボールの支配率も増え、相手陣を中心にピッチを広く使ったボール回しで、試合を締めくくる。ホーム開幕戦で2024全国選手権初勝利を飾った。
   グレミオは、FWパボン、FWソテウドの新加入選手が両サイドから中央のプレーエリアを自由に動き、ボールを運び、チャンスを創出。中央にはMFクリスタウド、VOLビジャサンチが後方から上がり攻撃に厚みをつける。中盤の守備は出足が早くインターセプトを多く記録。センターFWガウヴォンに監督からポジショニングに関する叱咤の声が多く、後半にベンチに下げられたが、この点が改善されれば得点力はさらに増す伸びしろがある。

   一方のアトレチコ・パラナエンセは、前半こそカウンターからチャンスを迎えたが、先制を許すと引き気味のグレミオ守備陣を崩せず、試合を通した枠内シュートをゼロに抑えられる。センターフォワードに起用されたFWマストリアーニだったが、前後左右へのフリーランニングによる守備陣を引きずり出す役割を与えられていたのだろうが、アトレチコのクロス上げるタイミングでゴール前から遠く離れた場所に位置取る場面が複数見られ、ゴール前の強さという特長を生かすことができなかった。

RBブラガンチーノ(RBB) 2-1 ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=jijtQVjkQ6Y
(RBB) : 7' #33 ラキンタナ(Laquintana, 1999)[]
(VAS) : 63' #99 ベヘッチ(Vegetti, 1988)[#7 デイヴィジ(David, 1995)]
(RBB) : 78' #28 ヴィチーニョ(Vitinho, 1999)[#7 エリキ・ハミーレス(Eric Ramires, 2000)]

今節前の順位

   RBブラガンチーノは全国選手権0勝1分0敗勝点1の9位。
   ヴァスコ・ダ・ガマは全国選手権1勝0分0敗勝点3の5位。

得点シーン

(RBB) : 7' #33 ラキンタナ(Laquintana, 1999)[]
相手陣ゴールラインから約15mの位置でのスローイン。ペナルティエリアに向けて投げられたボールは、RBB、VASの選手の頭を経て右サイドに流れる。右SBウルタド(Hurtado, 2001)がシュートを放つと、ヴァスコGKレオ・ジャルジン(Léo Jardim)は正面にボールに対する判断に躊躇し、力なく弾いたボールがFWラキンタナの足元にこぼれ、FWラキンタナは右足でボールをゴールに蹴り込む。
   FWラキンタナは、2018年にデフェンソール・スポルティング/URUから19歳でプロデビューしたウルグアイ国籍選手。ウルグアイの名門ペニャロルを経て、2023年4月に推定120万USドル、2027年末までの契約でRBブラガンチーノに加入。2023年は僅かに4試合の出場に止まったが、2024年はこの試合を含めチーム22試合のうち16試合に出場、2月17日州選手権でのクラブ初ゴール以来のゴールとなった。
(VAS) : 63' #99 ベヘッチ(Vegetti, 1988)[#7 デイヴィジ(David, 1995)]
自陣ゴールライン手前からのクリアボールをFWベヘッチが自陣に戻り右サイドへはたく。FWハイアンがドリブルで持ち上がると、左サイドから鋭角に右サイドへポジションを変え最終ライン裏に抜け出しを図るFWデイヴィジへスルーパス。FWデイヴィジがゴール前にボールを送るとファーサイドを縦に走り込んだFWベヘッチが足を合わせゴールネットにボールを突き刺す。
   上半期を中心に開催されるアルゼンチンリーグにて13得点を記録し2023年リーグ得点王に輝いたFWベヘッチは、2023年8月にヴァスコ・ダ・ガマに加入。全国選手権で21試合10得点1アシストの高いゴール関与率でヴァスコ・ダ・ガマの1部残留に貢献。2024年もこの試合を含め13試合7得点1アシストを記録している替えの効かないストライカー。
(RBB) : 78' #28 ヴィチーニョ(Vitinho, 1999)[#7 エリキ・ハミーレス(Eric Ramires, 2000)]
RBブラガンチーノが相手陣でボールを展開。左サイド深くから一旦後方にボールを戻すと、再び2本の縦パスで左サイドから攻撃を仕掛ける。サイドラインから一本手前のレーンでボールを受けたFWヴィチーニョがドリブルで斜めにペナルティエリアに向かう。エリアに入ったところで後方にボールを置きDFをかわすと、ペナルティエリア左角からファーサイドを狙ったシュート。DFの頭をかすめ縦回転となった運もありボールはファイ―サイドのゴールネットに吸い込まれる。RBブラガンチーノが2-1と勝ち越し。
   FWヴィチーニョは、アトレチコ・パラナエンセ育成出身のサイドアタッカー。2022年1月にディナモ・キエフ/URUに600万ユーロで移籍。間もなくウクライナ戦争が勃発し期限付き移籍でアトレチコ・パラナエンセに復帰すると、主力としてリベルタドーレス準優勝に貢献。2023年に入りRBブラガンチーノがアトレチコ・パラナエンセを上回る条件を提示し期限付き移籍で獲得。期限付き移籍は2024年6月末に満了。ディナモ・キエフとの契約は2026年6月まで。攻守に貢献度が高く、開幕節でも2アシストを記録しているヴィチーニョの動向が気になるところ。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:% % ⇒ 前後半:44% 56%
シュート(枠内): 前半:‐(-) ⇒ 前後半:15-11(5-3)
パス成功率: 前半:% % ⇒ 前後半:75% 82%

   RBブラガンチーノは開幕節のスタメンから、試合中負傷交代のGKクレイトン(Cleiton, 1997)に代わりGKルカォン(Lucão. 2001)、左SBにギリェルミ・ロペス(Guilherme Lopes, 2002)が入り、SBジュニーニョ・カピシャバ(Juninho Capixaba, 1997)が中盤に上がる。
   ヴァスコ・ダ・ガマは、家庭事情で欠場のCBメデル(Medel, 1987)に代わりにCBジョアン・ヴィトル(João Victor, 1998)が入る変更のみ。開幕節で機能したスリーボランチ、スリートップを継続。

   RBブラガンチーノは相手陣でピッチを広く使い、パススピードの速いボール回しで主に右サイドを中心に攻撃を組み立て、ヴァスコ・ダ・ガマは粘り強い守備から素早く両サイドの前方にボールを送り、FWベヘッチ(Vegetti, 1988)をターゲットにしたクロスでゴールを狙う。
   前半7分にRBブラガンチーノが相手のミスを突き先制。前半32分にヴァスコ・ダ・ガマはFWベヘッチがFWホッシ(Rossi, 1993)が頭で落としたボールをゴールに叩き込むがオフサイドの判定。ボール支配率やプレーエリアではRBブラガンチーノが上回るものの、チャンスの数は互角といった内容で前半を終了。
   ヴァスコ・ダ・ガマは後半開始時に一気に3選手を交代。すると攻守にアグレッシブになり試合の主導権を握ると、後半18分、FWベヘッチ、FWデイヴィジ、交代出場のFWハイアン(Rayan, 2006)のスリートップが絡むカウンターでヴァスコ・ダ・ガマが同点に追いつく。
   RBブラガンチーノは試合の流れを取り戻すために後半17分に2選手を交代。直後に同点弾を許したものの、その後は試合の流れを取り戻す。後半33分、後半17分にピッチに立ったFWヴィチーニョのゴラッソでRBブラガンチーノが勝ち越しに成功。

   両監督の好采配により、試合の主導権が交互に移った好ゲームは、ホームの利とほんの少しの運の差でRBブラガンチーノが勝点「3」を獲得。
   2023年は好チームながら勝ち切れない試合やここ一番で試合を落としたRBブラガンチーノ。2024年も州選手での早期敗退やリベルタドーレス予備予選での敗退などその傾向は続いていたが、互角の内容の試合を勝ち切ったこの試合を機に勝負強さも獲得したい。
   一方のヴァスコ・ダ・ガマは、州選手権では全国選手権下位リーグのノヴァ・イグアスに敗退、コパ・ド・ブラジルもPK戦で辛うじて三回戦進出を決めるなど、チーム状況は芳しくなかったが、今節は敗れたものの全国選手権に入り調子は上向いている。さらに上を目指すためにも次節では連敗は許されない。

アトレチコ・ミネイロ(CAM) 1-1 クリシウーマ(CRI)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=zL-mVcPgCO0
(CAM) : 40' #6 グスタヴォ・スカルパ(Gustavo Scarpa, 1994)[#7 フッキ(Hulk, 1986)]
(CRI) : 84' #17 マテウジーニョ(Matheusinho, 1998)[]

今節前の順位

   アトレチコ・ミネイロは全国選手権0勝1分0敗勝点1の13位。
   クリシウーマは全国選手権0勝1分0敗勝点1の10位。

得点シーン

(CAM) : 40' #6 グスタヴォ・スカルパ(Gustavo Scarpa, 1994)[#7 フッキ(Hulk, 1986)]
自陣からペナルティエリアへ送られたボールがクリアされると、ボールはピッチ中央FWフッキの元へ。右サイドに大きく開いたMFグスタヴォ・スカルパへボールが送られると、MFグスタヴォ・スカルパはペナルティエリア右角から思い切りよく左足を振り抜く。DFの足に当たったことでタイミングがずれたGKの脇をボールが通り抜けゴールに吸い込まれる。
   MFグスタヴォ・スカルパは、パウメイラスで2022年に59試合13得点16アシストの記録を残し、チームの全国選手権制覇に貢献。それを手土産にプレミアリーグのノッティンガム・フォレストへ移籍を果たすも、ヨーロッパでは結果を残せず、期限付き移籍先のオリンピアコ/GREを経て、2024年シーズン開幕前にアトレチコ・ミネイロに加入。加入後は試合に出場するものの得点という結果が出ない試合が続いたが、4月に入りこの試合を含め5試合で3得点。攻撃時には、中央寄りの位置でのプレーが多かったものの、右サイドに大きく開いたポジションでプレーするようになり、DFの背後をついたポジショニングや、精度の高いシュート技術がゴールに結びついている。
(CRI) : 84' #17 マテウジーニョ(Matheusinho, 1998)[]
ゴール正面約35mの位置でのFK。ゴール前に上げられたボールはアトレチコDFがクリア。このボールを拾ったVOLバルシア(Barcia, 2001)がサイドライン際からゴールに目掛けグラウンダーのクロス。アトレチコDF3選手が伸ばす足を通り過ぎるボールはファーサイドのゴールポストも通り過ぎると、MFマテウジーニョが詰めシュート。角度のない位置からのシュートはアトレチコDFの足に当たりGKのニアサイドを抜けていく。
   MFマテウジーニョはアメリカ・ミネイロ一筋で2016年3月に18歳でプロデビュー。2015U-17W杯代表。イスラエルでの一年間のプレー歴を有する。2024年全国選手権開幕前の4月9日にアメリカ・ミネイロからクリシウーマへの移籍が発表。開幕節で12分間のクラブデビューを果たすと、2戦目のこの試合で交代出場から2分で大仕事をやり遂げた。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:% % ⇒ 前後半:62% 38%
シュート(枠内): 前半:‐(-) ⇒ 前後半:19-4(5-1)
パス成功率: 前半:% % ⇒ 前後半:89% 83%

   アトレチコ・ミネイロは0-0に終えた開幕節から最終ラインと中盤の計4選手を変更。
   クリシウーマは1-1の引き分けに終えた開幕節から3選手を変更。ツートップからワントップへ布陣も変更する。
   個々の選手の技術力で上回るアトレチコ・ミネイロがホームの声援もあり立ち上がりから試合を主導権を握る。前半10分にスタメンのチャンスを得た左SBフーベンス(Rubens, 2001)が負傷交代するアクシデントがあったものの、チームの勢いは衰えず、クリシウーマゴールに次々と襲い掛かる。
   クリシウーマはボールを支配されながらも、最終ラインは統率され下がり過ぎず、サイドを抜け出される場面も中央で蓋を締める。
   クリシウーマGKアリソン(Alisson, 1995)を中心とした粘り強い守備に手こずるものの、アトレチコ・ミネイロは前半40分にMFグスタヴォ・スカルパのゴールで先制。
   後半も前半同様アトレチコ・ミネイロが試合を支配し、何度もクリシウーマゴールに襲い掛かるが追加点を奪えない。
   後半39分、クリシウーマは相手陣に入ったところからのFKの流れから同点に追いつくと、その後のアトレチコ・ミネイロも凌ぎ切り、試合は1-1のスコアで終了。

   アトレチコ・ミネイロは、試合を支配し20本のシュートを放ったものの、得点は僅かに「1」。開幕節は相手の中盤の寄せに悩まされ効果的に攻めることができず、今節は最後の局面の精度が低く得点が生まれない。その結果、前年の下位チームと昇格チームを相手にした開幕の2試合で勝点は「2」。開幕ダッシュに失敗した。
   クリシウーマは、開幕節で得点を決めたFWヘナト・カイゼルが期限付き移籍元フォルタレーザへの突然の帰還があり、今節は攻撃において難しい面があった。しかし、チーム全体の守備への高い意識と、GKと最終ラインの粘り強い対応で失点を1点にとどめ、後半39分にセットプレーからの流れで同点に追いつき、アウェイで貴重な勝点「1」を獲得することに成功した。

パウメイラス(PAL) 0-1 インテルナシオナウ(INT)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=Y4_wXJ1ofBI
(INT) : 45' #21 ウェズレイ(Wesley, 1999)[#19 ボレー(Borré, 1995)]

今節前の順位

   パウメイラスは全国選手権1勝0分0敗勝点3の7位。
   インテルナシオナウは全国選手権1勝0分0敗勝点3の6位。

得点シーン

(INT) : 45' #21 ウェズレイ(Wesley, 1999)[#19 ボレー(Borré, 1995)]
相手陣右サイドライン際高い位置でDFを挟み込みボールを奪取すると、FWボレーがペナルティエリア手前をドリブルで中央に向かう。味方の上りの時間を作ったFWボレーは、自身の背後を駆け上がったFWウェズレイに柔らかい浮き球のパス。オフサイドぎりぎりでボールを受けたFWウェズレイはワントラップからファーサイドのゴールポストを目掛けたシュートを放ち、サイドネットを揺らす。
   FWウェズレイは、パウメイラス育成出身で2019年6月に期限付き移籍先のヴィトーリアにて20歳のプロデビューを果たす。2020年にパウメイラスに復帰すると、2021-22年の2年間に99試合8得点8アシストを記録。過去2年の実績を評価したクルゼイロが2023年シーズン前に1600万レアル(約4億円)の移籍金で獲得。年初からレギュラーとして昇格1年目のチームを牽引したものの、チームは得点力不足のため残留争いに巻き込まれ、シーズン終盤にはベンチスタートの試合が続く。2024年2月16日インテルナシオナウがウェズレイ獲得を発表。非公式ながら選手保有権の50%に対し200万ユーロ相当(約3億3000万円)の移籍金。加入後は途中出場が続いたものの、開幕節に途中交代で同点ゴールをマークすると、この試合では先発に抜擢され勝ち越しゴールと全国選手権2試合連発。ポジションから抜け出しつつある。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:% % ⇒ 前後半:62% 38%
シュート(枠内): 前半:‐(-) ⇒ 前後半:16-5(3-2)
パス成功率: 前半:% % ⇒ 前後半:84% 74%

   パウメイラスは、開幕節から4選手を入れ替えたスタメン。サンパウロ州選手権決勝2ndレグのスタメンからケガのVOLゼ・ハファエウ(Zé Rafael, 1993)に代わりVOLヒシャルジ・ヒオス(Richard Rios, 2000)に変更された点を除く現状のベストメンバー。
   インテルナシオナウは、2-1の逆転勝ちを収めた開幕節後半開始時のメンバーからボランチが変更。ベテランVOLフェルナンド(Fernando, 1987)は遠征に帯同せずVOLチアゴ・マイア(Thiago Maia, 1997)が入る。

   インテンシティが高く目まぐるしく攻守が入れ替わる試合は、インテルナシオナウがやや優勢に試合を進めると、前半21分、インテルナシオナウFWウェズレイがペナルティエリアにボールを運んだところをパウメイラスDFに倒されPKを獲得。このPKをこの試合が自身5試合目ながら未だ得点のないコロンビア代表FWボレー(Borré, 1995)が蹴る。しかし、ボールはクロスバーを越えインテルナシオナウが大きなチャンスを逸する。
   その後、パウメイラスが試合の流れを掴み、FWエンドリッキ(Endrick, 2006)が縦に速い攻めの起点となり2度の惜しいチャンスを迎えるが得点に結びつかずこのまま前半を終えるかと思われた。しかし、前半45分、パウメイラス育成出身のインテルナシオナウFWウェズレイが先制ゴール。アウェイのインテルナシオナウが1-0のリードで前半を折り返す。
   後半に入りパウメイラスは選手交代を通じて攻勢を強めるが、インテルナシオナウも中盤から前線にかけて選手交代を行い中盤のマークを強めることでパウメイラスの攻撃の起点にプレッシャーをかける。残り10分を過ぎるとインテルナシオナウは守備的な選手を相次いで投入。アディショナルタイムに入りパウメイラスは相手をゴール前に押し込むが、インテルナシオナウは最後までゴールを守り抜きタイムアップ。
   ホームのパウメイラスは、開幕節の1得点に続き決定力に欠き、この試合は無得点に終えた。
   一方のインテルナシオナウは、スタメン、選手交代による選手起用がいずれも効果を発揮し、開幕2連勝を飾った。

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