ヒカルド・マチアス (Ricardo Mathias)

投稿者: | 2024年1月6日
新規投稿 : 2024/01/06
更新履歴 : 2025/07/14

ブラジル 若手 逸材 ヒカルド マチアス  Ricardo Mathias FW CF センターフォワード リカルド

ヒカルド・マチアス・ダ・シウヴァ

Ricardo Mathias da Silva

ポジション:フォワード(センターフォワード)/アタカンチ(セントロアヴァンチ)

利き足:右

2006年7月25日生まれ

<幼少期>

 ブラジル連邦共和国リオデジャネイロ州ノヴァ・イグアスに生まれる。

<クラブ経歴>

≪育成時代

 地元でサッカーをしていたところを代理人アレサンドロ・ピメンテウ(Alessandro Pimentel)氏に発掘され、サンパウロ州内陸部アララクアラ市に本拠を置く全国選手権4部フェホヴィアリアへの入団を勧められる。入団テストは無事合格。
 2021年、14歳でフェホヴィアリアU-15に入団する。この時すでに身長は186cmに達していた。
 2021年(年初14歳)、U-15サンパウロ州選手権の前哨戦として、フェホヴィアリアはコリンチャンス、サンパウロ、パウメイラスとの4チームによる親善大会に参加。ヒカルドはこの親善大会からチームに合流し、本番のU-15サンパウロ州選手権では22試合13得点で、得点ランキング3位の結果を残す。
 さらに、チームもU-15サンパウロ州選手権準決勝でサンパウロを破り、パウメイラスに次ぐ準優勝。14歳で長身のヒカルドは、この大会の活躍がインテルナシオナウのスカウト網に掛かり、2022年3月、インテルナシオナウU-17チームに加入する。
 2022年(年初15歳)4月にインテルナシオナウU-17チームでのデビューを果たすと、2005年生まれが主体のチームの中で2006年生まれながら年間21試合11得点を記録。
 2023年1月には、16歳にしてU-20全国大会カップ戦に出場。チーム6試合の全試合にすべて途中交代ながら出場を果たす。3月にエクアドルで開幕した南米U-17選手権から帰国すると、U-20チームの州選手権、U-17チームの州選手権と全国選手権に掛け持ちで試合に出場。U-17州選手権5試合4得点、U-17全国選手権10試合8得点を記録。
 U-20チームでは1月のカップ戦では全試合で途中交代出場だったが、5月以降のU-20州選手権では5試合に先発出場を果たし、7試合6得点を記録した。
 12月には、コリチバやアトレチコ・パラナエンセ、クイアバなど、ブラジル中南部州の11チームと、パラグアイのセロ・ポルテーニョのU-20チームが争ったBGカップに出場。ヒカルドは17歳ながら、チーム最多の3得点を記録。チームは準優勝を果たした。
 2023年末に行われたインタビューで、インテルナシオナウU-20ジョアン・ミゲウ監督は、2024年に向けて、1月に開幕するU-20全国大会カップ戦に選手登録、試合に出場することになると思われるが、原則的にはU-17チームを中心に活動。将来性があり、U-20チーム昇格一年目で、すでにトップチーム昇格に向けた最終段階に達しているのは確かだが、肉体的、精神的な更なる成長を促し、技術的にもまだまだ精度を上げていく必要がある、と話している。
 2024年(年初17歳)は予定通りU-20全国大会カップ戦に出場し3試合3得点の成績を残す。
 するとエドゥアルド・クーデ(Eduardo Coudet)監督のもと、トップチームのトレーニングに合流。2024年3月25日には州選手権準決勝ジュヴェントゥージ戦2ndレグ(H)にてベンチ入りを果たす。
 その後は当初の予定と異なりU-20チームにてプレー。4月のケガで約2か月間戦列を離脱するが、U-20チームではU-20全国選手権でスタメン起用が続く。

インテルナシオナウ≫

– 2024 –

 2024年7月18日、インテルナシオナウは成績不振を理由に解任したエドゥアルド・クーデ監督に代わりホージェル・マシャード(Roger Machado)監督を招聘。
 ホージェル・マシャード監督は不振のチームの中で潜在能力を認める若手選手を積極的に起用。ヒカルドもトップチームへの招集を受ける。
 2024年8月11日全国選手権第22節アトレチコ・パラナエンセ戦(H)、後半36分にピッチに送り出されプレデビューを果たす。
 2024年10月15日第29節コリンチャンス戦(A)、自身5試合目の出場となるこの試合は1‐2の劣勢で迎えた後半36分に交代出場。後半45+4分、インテルナシオナウが相手PA内でボールを左右に散らし、PA内右サイドからMFアラン・パトリッキがグラウンダーでゴール前にボールを折り返す。ゴール正面に位置取ったヒカルド・マチアスがやや後方に流れたボールを踵で合わせると、ボールはDFに当たりGKが必死で掻き出そうとするものの、ボールはゴールラインを完全に割る同点ゴール。ヒカルド・マチアスはチームに貴重な勝点をもたらすゴールでプロ初ゴールを飾った。
 10月23日には契約が更改され、6500万ユーロの契約違約金が設定。
 18歳で終えたプロ初年度は、6試合86分の出場ながら1ゴールを記録して終えた。

– 2025 –

 2025年(年初18歳)は1月にコロンビアで開幕したU-20南米ユース選手権に出場。2005年生まれが主体のチームの中で2試合に出場、優勝が懸かった決勝ラウンド最終節チリ戦にて1得点1アシストを記録した。
 U-20南米ユース選手権優勝を手土産にクラブに凱旋するが、インテルナシオナウのCFには、エクアドル現役代表で代表98試合46得点のエネル・バレンシア(Enner Valencia, 1989)とコロンビア現役代表で代表40試合6得点のラファエル・ボレー(Rafael Borré, 1995)がポジションを争っており、ヒカルドは苦戦を強いられ、州選手権は僅か1試合8分間の出場にとどまり、4月に入りU-20全国選手権が開幕すると主戦場はU-20チームへと移る。
 2025年5月8日リベルタドーレスGラウンド第4節にて2か月ぶりにトップチームでの試合に途中交代で出場すると、5月15日第5節ではプロ初のスタメン出場。その期待に応えるように、前半45分、右サイドからのグラウンダーのクロスに相手DFの背後から素早く前方に飛び出し右足を振り抜くゴール。チームにとって貴重な先制点をもたらした。
 5月18日全国選手権第8節ミラソウ戦(H)もまた先発に起用されると後半32分に同点ゴール。
 5月25日第10節エスポルチ戦(A)、10日間で4試合目のスタメンに抜擢されたものの、前半のうちに足を痛め前半24分に担架に運ばれる途中交代。重傷が心配されたが大事には至らず、6月12日第12節アトレチコ・ミネイロ戦(A)にて途中交代出場を果たしている。

≪シーズン別クラブ出場記録≫

シーズン所属大会試合出場
時間
得点アシ
スト
2024年(18歳)インテルナシオナウ全国選手権68610
 合計68610
2025年(19歳)インテルナシオナウリベルタドーレス26810
全国選手権416110
コパ・ド・ブラジル19000
州選手権1800
 合計832720
イタリック斜体は、2025年7月10日現在の記録。
※ シーズン欄の年齢は、12月31日時点の年齢です。

<代表(世代別含む)経歴>

– 2022 –

 2022年9月25日、10月に開催されるU-17代表合宿に招集。自身初の世代別代表への招集。
 10月10日の練習試合で2ゴールをマークし、アピールに成功。
 11月に開催された、チリ、パラグアイとの各2試合の国際親善試合では、全4試合(うち先発2試合)に出場する。しかし、この国際親善試合ではノーゴールに終わる。

– 2023 –

 【南米U-17選手権】 

 2023年3月8日、3月30日開幕の南米U-17選手権代表に選出。
下表「節」欄のリンクは、当ブログの記事にリンクしています。記事内には、当該試合の出場&控えメンバー(ブラジルU-17代表のみ)、試合経過、得点シーン中心の動画、所感を掲載しています。
試合日対戦
相手
試合
結果
出場
時間
得点アシ
スト
2023/03/30予選R第1節エクアドル2 – 2
2023/04/01予選R第2節チリ3 – 0100
2023/04/03予選R第3節コロンビア3 – 1
2023/04/07予選R第5節ウルグアイ3 – 09001
2023/04/11決勝R第1節ベネズエラ2 – 1
2023/04/14決勝R第2節パラグアイ3 – 21500
2023/04/17決勝R第3節エクアドル2 – 2
2023/04/20決勝R第4節チリ3 – 04510
2023/04/23決勝R第5節アルゼンチン3 – 23200
合計24 – 1018311
予選ラウンド第5節ウルグアイ戦、後半45分に自陣からのボールを敵陣センターサークル外やや左で受けると、守備ライン裏への抜け出しを図るFWマテウス・ヘイスへ、右サイド流れながらスルーパス。このプレーでアシストを記録。
決勝ラウンド第4節チリ戦では、相手陣ペナルティエリア右横からのMFドゥドゥのFKに、ニアサイドで頭を合わせファーサイドのゴールネットを揺らすゴール。今大会自身初ゴール。

– 2025 –

 2024年12月20日に発表された2025U-20南米ユース選手権代表23選手の一人として選出。2005年生まれが主体となる同大会にて、2006年生まれのヒカルド・マチアスが招集を受けた。
 2025U-20南米ユース選手権は途中交代で2試合に出場。
 2月1日予選ラウンド最終節コロンビア戦(X0‐1)にて17分間の出場。
 2月16日決勝ラウンド最終節チリ戦(〇3‐0)にて後半26分にピッチに送り出され1得点1アシスト。後半41分、自陣からのクリアボールを頭で前方に流しFWペドロ(Pedro, 2006)のゴールをアシスト。後半43分には、FWペドロのCKをゴール正面で頭を合わせゴールネットを揺らした。

<プレースタイル、雑感 etc.>

 利き足は右。
 身長192㎝、体重不明。(インテルナシオナウ公式HP選手紹介 2024年1月2日参照)
 2022年にインテルナシオナウに加入した時点で、長身をいかした空中戦はもちろんのこと、スピードもあり、ディフェンダーとの並走でスピードで負けることはほとんどなく、足元の技術も高かった。しかし、その後のインテルナシオナウでのトレーニングを通じて、シュート力も格段に成長。インテルナシオナウ育成部門責任者は、近いうちにトップチームでレギュラーとしてプレーし、やがてはヨーロッパの一線級からも注目を集めるセンターフォワードになるだろうと期待を語った。

 リカルド・マチアスの目標はバルセロナ/ESPでプレーするロベルト・レヴァンドフスキ(Robert Lewandowski, 1988)。高さのあるセンターフォワードだが、スピードがあり、スペースを上手く使い、ペナルティエリアから出てボールを引き出すプレーが、自身のプレースタイルと似ていると話す。
 現在のインテルナシオナウのトップチームでは、MFアラン・パトリッキ(Alan Patrick, 1991)やFWエネル・バレンシア(Enner Valencia, 1989)のプレーが好きだと話す。そして、この二人とともにプレーすることができれば、プロサッカー選手になるという幼い頃からの夢を実現することになる。
 将来的には欧州ビッグクラブでのプレーが夢だと話すが、18歳を迎える2024年は、その第一歩であるプロサッカー選手としてスタートラインに立つことが第一の目標だ。

(2025年7月14日追記)
 2024年にプロデビューを果たし、6試合86分という僅かな出場時間で記録したプロ初ゴールはチームに貴重な勝点をもたらした。
 2025年U-20南米ユース選手権では2試合36分の出場ではあったが、優勝の懸かった決勝ラウンド最終節チリ戦にて3分間で1得点1アシスト。
 僅かな出場時間で流れを変える力を見せつけた。
 2025年にはエクアドル現役代表で代表98試合46得点のエネル・バレンシア(Enner Valencia, 1989)、コロンビア現役代表で代表40試合6得点のラファエル・ボレー(Rafael Borré, 1995)のケガもあり、少しずつではあるが先発出場の機会も増えている。
 現時点でヨーロッパや中東からの身元照会が相次いでいるが、インテルナシオナウは早急な売却を想定せず、クラブ内で育成する方針とのこと。身長190cmを越す大型FWが今後どのように成長していくのか、楽しみに見守りたい。

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