新規投稿 : 2024/01/08
更新履歴 : 2025/07/09

ネヴェルトン・マルチンス・ダ・シウヴァ
Newerton Martins da Silva
ポジション:フォワード(ウィング)/アタカンチ(ポンタ)
利き足:右
2005年6月3日生まれ
<幼少期>
ブラジル連邦共和国の北東部、ペルナンブカーノ州パウマーレスに生まれる。
<クラブ経歴>
≪育成時代≫
地元から約120km離れた州都ヘシフィ(レシフェ, Recife, 2014年W杯で日本代表vs.コートジボワール代表の試合が行われた)に本拠を置くSCエスポルチでキャリアをスタート。入団当初はフットサルをしていた。
2018年、SCエスポルチU-13でプレー。 2019年、U-15チームでプレー。ペルナンブカーノU-15州選手権でチームの優勝に貢献すると、そのプレーがサンパウロFCのスカウト網に掛かり、サンパウロ下部組織に入団する。
2021年(年初15歳)には2004年生まれが主体のサンパウロU-17チームでレギュラーの座を獲得。
9月には、加入後に締結していた育成契約(アマチュア)からの切り替えで、2024年8月までのプロ契約を締結。
この年は、U-17コパ・ド・ブラジル決勝フラメンゴ戦1stレグでのゴールなど、U-17カテゴリーで28試合(うち27試合先発)10得点を記録する。
2022年(年初16歳)はU-17チームでの活動が中心ではあるものの、6月1日のU-20サンパウロ州選手権、後半開始時にU-20カテゴリーでのデビューを迎えると後半21分にゴール。3日後の6月4日U-20全国選手権フラメンゴ戦も後半開始時にピッチに送られる。
2022年は、U-17カテゴリーで28試合(うち25試合先発)18得点。U-20カテゴリーで5試合(すべて交代出場)1得点を記録した。
2023年(年初17歳)、U-20チームに昇格。1月開催のU-20全国大会カップ戦に出場すると、2003年生まれが主体のチームの中で、並行して開催される3月開幕のU-20全国選手権と4月開幕のU-20州選手権は、いずれの大会もレギュラーとしてプレー。
2023年6月末時点で19試合(うち16試合先発)4得点5アシストを記録。
2023年7月13日、シャクタルドネツク/UKRへ360万ユーロ(当時約5億6000万円)での移籍がサンパウロFCより発表。サンパウロFCでのプロデビューを待たずに、欧州移籍が決まった。
≪シャクタルドネツク/UKR≫
– 2023/24 –
2023年7月29日、ウクライナリーグ開幕節で後半27分の交代出場で18歳のプロデビュー。 10月21日第11節で初のスターティングイレブンでの起用。 10月25日には、グループラウンド第3節バルセロナ/ESP戦で後半18分にピッチに立ち、チャンピオンズリーグでのデビューを果たす。
10月30日カップ戦、11月3日リーグ戦第13節ディナモキエフ戦をともに先発出場。後者ではこの試合唯一のゴールをアシスト。左サイドでボールを受けるとドリブルでディフェンダー3人を引きつけ、最終ラインのディフェンダー間へ針に糸を通すようなパスを決めた。
2023年11月7日、ドイツ・ハンブルクで行われたチャンピオンズリーググループラウンド第4節バルセロナ戦。 左ウィングとしてスタメンに起用されると、フットサル仕込みの個人技でポルトガル代表SBジョアン・カンセロを苛立たせ、体格が一回り大きいウルグアイ代表CBロナルド・アラウホを相手に上手く体を使ったプレーでボールをキープ。 後半42分には左サイドを抜け出し後方からのパスをうけ、ペナルティエリア内での切り返しでディフェンダーをかわすと、右足でファーサイドのゴールネットに突き刺さるシュート。これはVARにより抜け出した際のオフサイドが判定されゴールは認められなかったものの、試合終了間際の交代までインパクトの大きいプレーを披露、チームの1-0の勝利に大きく貢献した。
試合後のインタビューでは、「10点満点中の10点。守備陣を助けることもできたしとても満足している。ブラジルを離れ、夢だったチャンピオンズリーグ、それもバルセロナ戦で先発に起用され、いいプレーをして、そして、試合も勝利で終えた。とても幸せだ。」と話した。
この試合の後は、リーグ戦、国内カップ戦、チャンピオンズリーグと相次ぐ試合にスタメン出場。チャンピオンズリーグ第5節ロイヤル・アントワープ/BEL戦は先発出場でチームの1-0の勝利に貢献。決勝ラウンド進出を懸けた最終節ポルト/POR戦は1‐1で迎えた後半14分に途中出場するがチームの勝利に貢献できずチームは3‐5の敗戦。
シャクタルドネツクは決勝ラウンド進出を逃したものの、ネヴェルトンは出場停止試合を除く8試合に連続して先発に起用されるなど、レギュラーの座に就いて約2か月間のウィンターブレークに突入した。(ウィンターブレークの成績:チーム全23試合のうち、15試合(うち先発9試合)1アシスト)
ウィンターブレーク明けの初戦の2024年2月15日ヨーロッパリーグプレーオフ、マルセイユ/FRA戦1stレグは出場機会が訪れず、2月22日2ndレグでは僅か7分間の出場に終え、チームもここで敗退。
4月18日順延された第10節ゾリア(Zorya)戦(A)にて後半39分にピッチに送り出されると、後半45+1分、プロ初ゴールをマーク。
しかし、ネヴェルトンの出場機会は限られたものとなり、ウィンターブレーク明けはチーム全19試合のうち、僅か6試合(うち先発3試合)1得点の成績に終えた。
– 2024/25 –
2024年8月4日に迎えたウクライナ・プレミアリーグ開幕戦、ネヴェルトンに出場機会は訪れない。
8月11日第2節にて後半36分にピッチに立ちシーズン初試合を迎えるが、その後も途中交代が続き、先発での起用はチームが週中にチャンピオンズリーグが控えた直前のリーグ戦のみ。その状況で2得点2アシストを記録するが、やがて途中交代での出場機会も失っていく。
2025年に入ると出場機会はほとんど恵まれなくなるが、ウィンターブレーク明け後の自身3試合目の2025年5月3日、リーグ戦第27節にて5か月ぶりの先発に起用されると、それまでの鬱憤を晴らすかのように2得点の活躍。5月14日ウクライナ杯決勝では出番は訪れなかったが、リーグ戦は最後の4試合(うち先発2試合)に出場し、明るい兆しを残して2024/25年を締めくくった。
– 2025/26 –
≪シーズン別クラブ出場記録≫
シーズン | 所属 | 大会 | 試合 | 出場 時間 | 得点 | アシ スト |
---|---|---|---|---|---|---|
2023/24年(19歳) | シャクタルドネツク/UKR | UEFAチャンピオンズリーグ | 4 | 218 | 0 | 0 |
UEFAヨーロッパリーグ | 1 | 7 | 0 | 0 | ||
ウクライナ・プレミアリーグ | 15 | 668 | 1 | 1 | ||
ウクライナ・カップ | 1 | 81 | 0 | 0 | ||
合計 | 21 | 974 | 1 | 1 | ||
2024/25年(20歳) | シャクタルドネツク/UKR | UEFAチャンピオンズリーグ | 4 | 83 | 0 | 0 |
ウクライナ・プレミアリーグ | 17 | 657 | 4 | 2 | ||
ウクライナ・カップ | 1 | 1 | 0 | 0 | ||
合計 | 22 | 741 | 4 | 2 | ||
2025/26年(21歳) | シャクタルドネツク/UKR | ウクライナ・プレミアリーグ | ||||
合計 |
イタリック斜体は、2025年7月9日現在の記録。
※ シーズン欄の年齢は、12月31日時点の年齢です。
<代表(世代別含む)経歴>
N/A
<プレースタイル>
利き足は右。 身長165㎝、体重50kg。(2024年1月4日サッカーサイト「oGol」参照)
小柄な体型をいかした俊敏性が特長。スピードが豊かで、特に切り返しなどの方向転換や、そこから一歩目の速さ、そして二歩目、三歩目への加速力が特筆もの。
小柄な体形ながら、一回りも大きいディフェンダーに全く臆することのないプレーをみせ、また、重心の低さを生かした態勢でのボールキープやボール処理は体格的なハンディキャップを感じさせない。
フットサル仕込みの足元の技術は非常に高く、アイディアに溢れたプレーも随所に見せる。
チャンピオンズリーグ第4節バルセロナ戦の前日には、マリノ・プシッチ(Marino Pušić)監督がネヴェルトンのプレーを褒め、(同僚のブラジル国籍FWエギナウド(Eguinaldo, 2004)とともに)シャクタルドネツクで歴史を作るだけでなく、ヨーロッパの強豪国へと飛び立っていくことだろう、と話した。
ネヴェルトンは、シャクタルドネツクでサッカー選手としてのスタートを切ったばかり。 シャクタルドネツクでのプレー、特にチャンピオンズリーグでは、試合の中で多くの学びを得ていると話している。 サッカー文化がブラジルとは異なるヨーロッパの地で、今はこれまで通りガムシャラに、何も恐れず、自分のプレーを試合で試してもらいたい。そして、同時にトレーニングや試合の中であらゆることを吸収してもらいたい。
2023年11月7日のチャンピオンズリーグ、バルセロナ戦で見せたような、屈強なディフェンダーを前にしても少しも怯むことなく対峙した勇気と自信を持ったプレーで、今後訪れるであろう逆境をも乗り越えてもらいたい。そして、さらに高みへと昇っていくことを期待したい。
(2025年7月9日追記)
シャクタルドネツクは、2024年1月にパウメイラスからFWケヴィン(Kevin, 2003)を獲得。さらに、2024年6月末にFWペドリーニョ(Pedrinho, 1998)がコリンチャンスから復帰。2025年に入り、2月にフルミネンセからFWカウワン・エリアス(Kauã Elias, 2006)、3月にアトレチコ・ミネイロからFWアリソン・サンタナ(Alisson Santana, 2005)と、ブラジル国籍の若手選手を立て続けに獲得。ブラジル人同士での競争が激化している。
特にケヴィンはネヴェルトンと同じく左ウィングを主戦場としており、ケヴィン加入後は一歩も二歩も後れを取った。
2025年7月9日にボローニャ/ITAがケヴィンに対し移籍金3000万ユーロのオファー。ナポリ/ITAも興味を示しているとの報道が伝わっているが、ケヴィンの去就に関わらず、トレーニングから自分の長所をアピールし、2023年10月、11月に努めたレギュラーの座の奪還を期待したい。