2024年ブラジル全国選手権2部最終順位

投稿者: | 2024年11月24日
2024年ブラジル全国選手権2部(Série B)の全日程が11月24日に終了しました。

<最終順位表>

順位チーム名チーム名勝点試合得点失点得失
点差
勝点
率(※)
1サントスSantos68382081057322559
2ミラソウMirassol67381910942261658
3エスポルチSport66381991057372057
4セアラーCeará64381971259411856
5ノヴォリゾンチーノNovorizontino643818101043311256
6ゴイアスGoiás63381891156322455
7オペラリオ・パラナエンセOperário-PR58381610123432250
8アメリカ・ミネイロAmérica-MG583815131050351550
9ヴィラ・ノヴァVila Nova5538167154254-1248
10アヴァイーAvaí53381411133432246
11アマゾナスAmazonas52381410143137-645
12コリチバCoritiba5038148164144-343
13パイサンドゥPaysandu50381214124143-243
14ボタフォゴ-SPBotafogo-SP45381112153651-1539
15シャペコエンセChapecoense44381111163445-1138
16CRBCRB43381110173845-737
17ポンチ・プレッタPonte Preta3838108203755-1833
18イトゥアーノItuano3738114234363-2032
19ブルスキBrusque3638812182444-2031
20グアラニーGuarani333889213353-2028
水色のハイライト:1部昇格
ピンクのハイライト:3部降格
※勝点率 = 実際勝点 ÷ 最大可能勝点(勝点3x試合数)。
  例 サントスの場合:
    実際勝点68、最大可能勝点 = 3x38 = 114、勝点率 = 68 ÷ 114 = 59.64%
 Aproveitamento (アプロベイタメント)といい、ブラジルでチームや監督の成績を評価する目的でよく利用される指標です。

<昇格チーム総括>

優勝:サントス(Santosa)

クラブ史上初の2部での戦いとなったが、優勝を遂げ一年での1部復帰を果たした。
長崎/JPNとの契約問題がFIFAで争われたファビオ・カリーリ(Fábio Carille)監督がチームを優勝に導いた。しかし、契約延長は見送られ、2025年は新監督のもと全国選手権を迎えることになる。
最多試合出場 : 36試合 MFジエゴ・ピトゥーカ(Diego Pituca, 1992)
最多得点 : 10得点 FWギリェルミ(Guilherme, 1995)
最多アシスト : 8アシスト FWギリェルミ(Guilherme, 1995)
2021‐2023年を鹿島/JPNでプレーしたMFジエゴ・ピトゥーカ(Diego Pituca, 1992)が攻撃の司令塔としてチームを牽引。2019‐2020年名古屋/JPN、2021‐2023年を川崎/JPNでプレーしたMFジョアン・シュミッチ(João Schmidt, 1993)もチーム3位の出場時間(2874分)で優勝に貢献。
若手選手では、右SBジョタ・ペー・シェルモンチ(João Pedro Chermont, 2006)がレギュラーに定着し、欧州クラブからの関心も高いCBジャイール(Jair, 2005)が19試合に出場。一方で2026W杯南米予選にてボリビア代表として5試合4得点の成績を収めているFWミゲリット(Miguelito, 2004)は出場機会に恵まれず5試合99分の出場に止まった。
ベテラン勢では、コリンチャンスから加入した2016コパ・アメリカ代表CBジウ(Gil, 1987)が34試合3054分の出場を果たし、クルゼイロやパウメイラスで数多くのタイトルを獲得したFWウィリアン・ビゴージ(Willian Bigode, 1986)が29試合に出場。
他チームを圧倒する選手層にバランスの取れた年齢構成でチームが編成され、シーズン途中には監督解任が囁かれるなど浮き沈みはあったものの、最終的には優勝を果たした。

2位:ミラソウ(Mirassol)

クラブ史上初の1部参入。
2020年全国選手権4部優勝。2022年全国選手権3部優勝。全国選手権2部参入後2年で2位の成績を収め1部昇格を決めた。
最多試合出場 : 37試合 MFダニエウジーニョ(Danielzinho, 1994)、右SBルーカス・ハモン(Lucas Ramon, 1994)
最多得点 : 10得点 FWデラトーリ(Dellatorre, 1992)
最多アシスト : 4アシスト MFダニエウジーニョ(Danielzinho, 1994)、FWフェルナンジーニョ(Fernandinho, 1997)、右SBゼッカ(Zeca, 1994)
クラブ史上初の1部昇格に導いたモザルチ(Mozart)監督は、2023年全国選手権2部第5節からミラソウの指揮を執り、2部昇格一年目のチームを昇格圏まで勝点差「1」の6位に導いた。その実績を評価され2024年も続投。2024年は1月開幕のサンパウロ州選手権は決勝ラウンド進出を逃すが、全国選手権2部では前半戦のうちにチームを立て直し、第21節では首位に立つなどを安定した成績を残した。
全国選手権1部で活躍した実績を持つ選手は少ないものの、クラブと共に成長を続ける選手を中心に戦術が浸透。
2013年湘南/JPN、2018年新潟/JPNでプレー経歴のあるGKアレックス・ムラーリャ(Alex Muralha, 1989)がゴールマウスを守り、3バックの最終ライン、中盤や前線の選手が労を惜しまずマークに走り続けた結果、総失点数はリーグ最少の「26」に抑えた。
シーズン半ばには、クラブも少ない予算の中からピンポイントの補強を実施し現場を後押し。
8月加入の大ベテランFWレオ・ガマーリョ(Léo Gamalho, 1986)が加入直後の3試合で2得点を奪うなど、前所属ヴィトーリアに続き2年連続でチームの1部昇格に貢献。同じく8月加入のFWユーリ・カスチーリョ(Iury Castilho, 1995, 2020年山口/JPNにてプレー)が最後の6試合で4得点を決める活躍。7月加入の2016リオ五輪金メダリストの右SBゼッカ(Zeca, 1994)は攻守に活躍するとともに、リーダーシップを発揮しチームをまとめ上げた。
また、2022‐2023年に山形/JPNでプレーしたFWデラトーレ(Dellatorre, 1992)が年間を通してレギュラーを務めチーム最多得点(全国選手権2部10得点など年間17得点)を記録した。

3位:エスポルチ(Sport

2021年以来4年ぶりの1部復帰。
最多試合出場 : 37試合 GKカイキ・フランサ(Caíque França, 1995)
最多得点 : 10得点 FWファブリシオ・ドミンゲス(Fabricio Domínguez, 1998)
最多アシスト : 10アシスト MFルーカス・リマ(Lucas Lima, 1990)
2023年を勝点差「1」の僅かな差で1部昇格を逃したエスポルチは、2024年に入りペルナンブコ州選手権に優勝、北東部州のカップ戦コパ・ド・ノルデスチでは準決勝に進出するなど、勢いに乗って全国選手権2部開幕を迎え、開幕4連勝を記録する。しかし、その直後に3連敗、以降もサポーターの期待通りには勝点を伸ばすことができず、第23節には10位にまで順位を落とす。
ここでクラブは、2023年にクルゼイロで指揮を執り、一定の成果を残したポルトガル国籍のペパ(Pepa)監督を招聘。すると、就任直後の第25節から10試合で7勝2分1敗の成績を残し、一気に2位にまで浮上する。昇格争いが混とんとする中、第34、35節で連敗を喫し最終節を5位で迎えるが、最後の試合でサントスを2‐1で下し昇格圏に滑り込んだ。
クラブは、育成出身の右SBペドロ・リマ(Pedro Lima, 2006)のウルヴァーハンプトン/ENGへの移籍金をペパ監督の招聘の原資とする好判断。
2023年にアトレチコ・ゴイアニエンセでチーム内得点王に輝いたFWグスタヴォ・コウチーニョ(Gustavo Coutinho, 1999)を年初に完全移籍で獲得。
期限付き移籍でラシン・クラブ/ARGから獲得したFWファブリシオ・ドミンゲス(Fabricio Domínguez, 1998)が全国選手権2部にてチーム最多の10ゴールをマーク。
サントスから期限付き移籍加入のブラジル代表14試合2得点の経歴を持つMFルーカス・リマ(Lucas Lima, 1990)が攻撃の司令塔として得点数2位タイの攻撃陣を牽引した。

4位:セアラー(Ceará)

2022年以来3年ぶりの1部復帰。
最多試合出場タイ : 36試合 FWアイロン(Aylon, 1992)
最多得点 : 13得点 FWエリキ・プーガ(Erick Pulga, 2000)
最多アシスト : 6アシスト FWサウロ・ミネイロ(Saulo Mineiro, 1997)、MFルーカス・ムギニ(Lucas Mugni, 1992)
セアラーの2024年は、1月開幕のセアラー州選手権にてフォルタレーザを決勝戦で下し優勝する幸先のいいスタートを切る。
州選手権の結果から1部昇格が期待され4月20日の全国選手権2部開幕を迎えるが、初勝利は第4節とスタートダッシュに失敗。その後も成績は安定せず、第12節終了時点で4勝4分4敗の12位に甘んじると、クラブはヴァギネル・マンチーニ(Vágner Mancini)監督を解任、前年ヴィトーリアで全国選手権2部優勝を飾ったレオ・コンデ(Léo Condé)監督を招聘する。レオ・コンデ監督はコンパクトな陣形を攻守に保つ戦術の落とし込みに時間を要したものの、徐々に順位を上げていき、第36節に昇格圏内の4位に浮上。最終節は最下位のグアラニーを相手にアウェーで0‐0の引き分けに終えたものの、他会場で昇格を争うノヴォリゾンチーノが敗れ、辛うじて1部昇格を勝ち取った。
攻撃陣では、2021年7月‐2023年7月に横浜FC/JPNでプレーしたFWサウロ・ミネイロ(Saulo Mineiro, 1997)、13得点で全国選手権2部得点王に輝いたFWエリキ・プーガ(Erick Pulga, 2000)、FWアイロン(Aylon, 1992)のスリートップが計34得点をマーク。チームはリーグ最多の59得点を記録した。

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