グスタヴォ・ヌーネス (Gustavo Nunes)

投稿者: | 2024年4月27日
更新履歴 : 2024/04/27, /07/26
最新更新日 : 2025/06/26

グスタヴォ・ヌーネス・フェルナンデス・ゴメス 若手 選手 ブラジル サッカー グレミオ フォワード ウィング

グスタヴォ・ヌーネス・フェルナンデス・ゴメス

Gustavo Nunes Fernandes Gomes

ポジション:フォワード(ウィング)/アタカンチ(ポンタ)

利き足:右

2005年11月20日生まれ

<幼少期>

 ブラジル連邦共和国サンパウロ州沿岸部のサン・ヴィセンチに生まれる。

<クラブ経歴>

≪育成時代

 2021年15歳の時にグレミオ下部組織入団。
 2022年(年初16歳)の序盤にU-20チームの州選手権2試合に出場。U-17カテゴリーの全国選手権が開幕すると、レギュラーとして活躍し、クラブ史上初の同カテゴリー全国選手権決勝進出に貢献。
 2023年はU-20カテゴリーに昇格。
 1月U-20全国大会カップ戦では試合終了間際の途中交代による2試合の出場に終えたものの、3月開幕のU-20全国選手権、4月開幕でU-20全国選手権と並行して開催されるU-20州選手権では、先発に起用される試合も増えていく。
 U-20全国選手権準々決勝コリンチャンス戦H&Aの2試合にスタメン出場(チームは準々決勝で敗退)。U-20州選手権は準々決勝以降のH&A各2試合、計6試合すべて(うち先発3試合)に出場し2得点を記録、チームのU-20州選手権優勝に貢献。
 8月に開幕したU-20コパ・ド・ブラジルでは準決勝バイーア戦2ndレグにて前半28分にゴール。決勝戦はバイーア戦でのゴール後にケガを負い欠場となったものの、クラブ史上初のU-20コパ・ド・ブラジル決勝進出に貢献した。
 2023年7月22日には、U-20カテゴリーのシーズン中にもかかわらず、トップチームの全国選手権にベンチ入り。この試合に先立ってしばらくの間参加したトップチームのトレーニングでは、グスタヴォが得意とするスピードとドリブルを生かしたポジショニングやプレーについて、FWルイス・スアレス(Luis Suárez, 1987)から個別にアドヴァイスを受けるなど充実した時間を過ごす。
 2024年1月には、前年終盤のケガも癒え、U-20全国大会カップ戦に出場。6試合3得点3アシストの成績を残す。同大会敗退後は、トップチームに帯同。

グレミオ≫

– 2024 –

 2024年2月10日リオグランデドスル州選手権第7節サン・ルイス戦にて、前半44分、ケガのFWジョナタ・ホベルチ(Jhonata Robert, 1999)に代わりピッチに送り出され18歳のプロデビュー。0-1のビハインドで迎えた後半43分、堅固な守備ブロックを構築する守備陣の手前からゴール前に柔らかいボールをゴール前に上げると、FWガウジーノ(Galdino, 1997)が最終ラインを抜け出し、僅かに頭にボールを当てる同点ゴール。グスタヴォ・ヌーネスはプロデビュー戦でアシストを記録。
 2月14日第8節では先発に抜擢。
 2月17日第9節もまた先発出場。前半14分、ゴール正面のFWガウヴォン(Galvão, 1992)のシュートがディフェンダーにブロックされ、こぼれたボールを右足でダイレクトにゴールに蹴り込みプロ初ゴール。
 以降は州選手権の全試合に先発出場。準決勝カシアス戦2ndレグでのアシストなど、チームの州選手権優勝に貢献。
 2024年4月9日リベルタドーレス第2節ウァチパト戦にて後半開始時に交代出場を果たすと、その2日後の4月11日、トップチームへの昇格が発表される。
 4月14日全国選手権開幕節、4月17日第2節に途中交代出場。4月20日全国選手権第3節クイアバ戦では先発出場。
 育成カテゴリーでは長所のスピードとドリブルでボールを相手陣に運び、チャンスを作り出すプレーが多かったものの、2023年にトップチームのトレーニングに参加し、ルイス・スアレスのアドバイスを貰って以降は、自身のゴールやアシストなどゴールに直接関与するプレーが一気に増加。トップチームでその成果が次々と現れる。
 4月23日リベルタドーレス第3節エストゥディアンテス/ARG戦では、チームから退場者を出した5分後の後半26分にピッチに送り出される。後半31分、自陣からのロングカウンターで相手ペナルティエリア内にドリブルでボールを持ち込み、ディフェンダーを振り切り中央へクロス。FWナタン・フェルナンデス(Nathan Fernandes, 2005)の決勝ゴールをアシスト。
 5月29日リベルタドーレス第6節決勝ラウンド進出を懸けたグループ首位ザ・ストロンゲスト/BOL戦では、後半23分にピッチに立ち、後半44分、自陣に入った位置でVOLドッジ(Dodi, 1996, 2021-22年柏在籍)が奪取したボールを拾い、左サイドをドリブルで駆け上がり、PA手前を中央へ切り返し右足のシュート。リベルタドーレスでの初ゴールを決める。
 リベルタドーレス、全国選手権、コパ・ド・ブラジルのほとんどの試合に先発または途中交代での出場を繰り返し。6月16日全国選手権第9節ボタフォゴ戦にて全国選手権初ゴール、7月14日コパ・ド・ブラジル三回戦2ndレグにて同大会初ゴール。
 2024年8月20日リベルタドーレスベスト16フルミネンセ戦2ndレグでは、後半開始時の出場から、後半31分に2試合合計で3-3に追いつくゴール。ゴールエリア右にボールを運んだMFミゲル・モンサルベ(Miguel Monsalve, 2004)のクロスを相手GKが弾いたボールにいち早く反応し、ボールをゴールに押し込んだ。
 グレミオはPK戦の末、準々決勝進出を断たれたが、グスタヴォ・ヌーネスはグレミオでの最後の試合をゴールで締めた。
 2024年7月下旬に届いたブレントフォード/ENGからの移籍オファーに関する交渉が進展。8月25日に渡英し、メディカルチェックを受け、契約書へ署名。
 8月21日、グスタヴォ・ヌーネスは自身のSNSにて、グレミオおよびグレミオサポーターへの感謝の意を表する動画を投稿した。

ブレントフォード/ENG≫

– 2024/25 –

 2024年8月28日、ブレントフォード/ENGは、公式にグスタヴォ・ヌーネス選手の獲得を発表。契約期間は6年、2年間の契約延長オプションが附帯。移籍金は、選手保有権の80%について1200万ユーロ(約19億5000万円)相当、残りの20%は引き続きグレミオが保有する。
 メディカルチェックにて、肋骨骨折が検出されたものの、既定通り契約が締結された。
   関連記事 : 【公式】ブレントフォード、グレミオ所属FWグスタヴォ・ヌーネス(2005)選手獲得
 ケガは順調に回復し、10月末にはトレーニングに参加するようになり、11月中旬にはカーディフ・シティ/ENGとのトレーニングマッチに先発で45分間プレーするなど、プレミアデビューも間近と思われた。
 しかし、再び肋骨骨折が見つかり、トレーニングから遠ざかることとなる。
 2025年2月末時点では、その回復ぶりは報道されていなかったが、3月中旬のBチームの試合に出場。
 2025年4月12日プレミアリーグ第32節アーセナル戦(A)にて初のベンチ入りを果たすと、後半45+1分にピッチに送り出されクラブデビューを飾る。
 その後、2試合に交代出場。
 ブレントフォードの一年目のシーズンは、ケガに悩まされたが、3試合11分の出場記録を残した。

– 2025/26 –

To be continued...

≪シーズン別クラブ出場記録≫

シーズン所属大会試合出場
時間
得点アシ
スト
2024年(19歳)グレミオリベルタドーレス721621
全国選手権20123631
コパ・ド・ブラジル316110
州選手権1080812
 合計40244174
2024/25年(20歳)ブレントフォード/ENGプレミアリーグ31100
 合計31100
2025/26年(21歳)ブレントフォード/ENGプレミアリーグ
 合計
イタリック斜体は、2025年6月26日現在の記録。
※ シーズン欄の年齢は、12月31日時点の年齢です。

<代表(世代別含む)経歴>

– 2024 –

 2024年8月17日、CBFよりU-20代表合宿招集メンバーが発表され、代表23選手の一人として招集を受けた。
 これは自身初の世代別代表への招集だった。
 しかし、ブレントフォード/ENG移籍時のメディカルチェックにて肋骨骨折が見つかり、8月29日にCBFより離脱が発表された。
   関連記事 : [2024.08.17発表]<ブラジルU-20代表招集

<プレースタイル、エピソード、雑感 etc.>

 利き足は右。
 身長、体重は不明だが、映像からは身長は175cm前後と推測される。
 ポジションはウィング。特に左サイドでのプレーを得意とする。
 スピードとドリブルが強み。
 スピードは、瞬間的で爆発力のあるスピードも、5m以上のスプリント的なスピードもあわせ持ち、ドリブルで一対一の対峙から一気に加速し抜け出すプレーや、ドリブルで少し大きめに蹴りだす突破、ディフェンスライン裏に蹴りだされたボールに対してディフェンダーと並走しながらも確保するプレーなどが、しばしば見られる。
 2024年に入ってからは、積極的にシュートを放つシーンも。

 グレミオ育成出身の左ウィングと言えば、2019, 2021コパ・アメリカ代表など代表25試合3得点のFWエヴェルトン・セボリーニャ(Everton, 1996)や、2023年11月16日2026W杯南米予選第5節コロンビア戦にて代表デビューを飾ったFWペペー(Pepê, 1997)など。2024年サンパウロで活躍するFWフェヘイラ(Ferreira, 1997)、グスタヴォ・ヌーネスど同年代のFWナタン・フェルナンデス(Nathan Fernandes, 2005)など、育成カテゴリーから多くの逸材を輩出。
 FWエヴェルトン・セボリーニャは2000万ユーロでベンフィカ/PORに移籍し、2024年4月27日現在は2018, 2022W杯でブラジル代表を率いたチチ監督のもとフラメンゴでレギュラーとして活躍。
 FWペペーは1500万ユーロでポルト/PORに移籍し、2年間で97試合11得点15アシストを記録、3年目の2023/24シーズンは中盤やサイドバックでの起用など、ユーティリティ性を発揮し、2024年4月27日現在で45試合7得点8アシストを記録中。
 グスタヴォ・ヌーネスは、この両選手によく似たプレースタイルで、両選手が青・黒・白のトリコロールで左サイドを疾走していた姿を彷彿とさせる。ボールを運ぶ際の胸が地面と水平になるくらいまで体を屈め頭を上げる姿がFWエヴェルトン・セボリーニャと酷似した特徴的なドリブルを見せる。

 2023年にトップチームに合流した際は、ウルグアイ代表やバルセロナ/ESP、リヴァプール/ENGなどで活躍したFWルイス・スアレス(Luis Suárez, 1987)からグスタヴォのプレースタイルを生かしたポジショニングやプレーに関するアドバイスを個別に受け、プレー面に関してだけでなく、以前にも増してゴールへの意識が高まった。2023年はU-20チームで年間29試合3得点1アシストの成績が、2024年1月のU-20全国大会カップ戦で6試合3得点2アシストと大幅にゴールへの関与が増加。
 2024年はトップチームで積極的に試合に起用され、4月にはトップチームに昇格し、2024年4月27日現在、15試合1得点3アシスト。
 その成長の勢いは止まるところを知らない。

 2021年15歳の時、グレミオ下部組織への入団が決まる直前に母親を亡くす不幸が訪れる。直後は喪失感から何もやる気が起こらず、プロサッカー選手になる夢も諦めかけたが、その夢が母親も応援してくれた夢であることを思い出し、グレミオ下部組織加入を決意。選手登録名を従来の「グスタヴォ・ゴメス」(ゴメスは父方の性)から「グスタヴォ・ヌーネス」(ヌーネスは母方の性)に変更し、母親と共にプロサッカー選手への道のりを歩む。

 2024年3月初めの報道によると、すでに欧州の複数のクラブから身元照会があり、取り分けモナコ/FRAが積極的に情報を収集しているとのこと。
 そして、グスタヴォ・ヌーネスはトップチーム昇格に合わせるかのように、欧州クラブと太いパイプを持ち、ECバイーアのシティフットボールグループへの加入に関与した代理人と契約。
 4月以降もイングランドやスペインの複数クラブによるグスタヴォ・ヌーネスへの関心が報道されている。
 欧州2024/25シーズン開幕前の移籍ウィンドウでの欧州移籍は、その可能性が高まっている。

(2024年7月26日 追記)
 2024年7月26日に、ブレントフォード/ENGから保有権の70%に対して1000万ユーロの獲得オファーがグレミオに届く。グレミオは2000万ユーロの移籍金を想定しており、今回のオファーの移籍金は、想定を大きく下回る。グレミオのクラブ会長は「オファーが届けば検討するが、現時点での売却は考えていない」と話している。
(2024年8月22日 追記)
 移籍について交渉は進展。8月20日のWeb記事ではクラブ間に代理人を加えた交渉は細部の詰めの段階に入っており、8月25日にはグスタヴォ・ヌーネス自身の渡英が予定されているとのこと。
 8月21日には、グスタヴォ・ヌーネスは自身のSNSにて、グレミオおよびグレミオサポーターへの感謝の意を表する動画を投稿している。

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