新規投稿 : 2024/05/02
最新更新日 : 2025/06/26

グスタヴォ・プラード・アウヴェス
Gustavo Prado Alves
ポジション:攻撃的MF/メイア・オフェンシーヴォ
利き足:右
2005年6月6日生まれ
<幼少期>
ブラジル連邦共和国リオデジャネイロ州リオデジャネイロ市西端サンタ・クルス地区に生まれる。
<クラブ経歴>
≪育成時代≫
5歳の頃に地元のフットサルチームでボールを蹴り始め、複数のチームでプレー。
11歳になると、地元から約40㎞離れた市内北東部にトレーニング場を持つヴァスコ・ダ・ガマの下部組織に入団。フットサルと同時にグランドでのサッカーを並行して行うようになる。
その後、フラメンゴやボタフォゴといったクラブの下部組織に入団するがチームに定着することができずヴァスコ・ダ・ガマに復帰。そこからさらに、リオデジャネイロ州選手権下位リーグのカーボフリエンセを経て、14歳の時(2020年)にサンパウロ州内陸部アララクアラ市に本拠を置く、当時トップチームが全国選手権4部に参戦するフェホヴィアリア下部組織に入団。
2021年にフェホヴィアリアU-17チームに昇格すると、昇格一年目にしてレギュラーの座を掴み、背番号「10」をつけ攻撃の司令塔として活躍。U-17サンパウロ州選手権はチーム全20試合のうち18試合に出場し4得点を記録。チームは、準決勝でFWエンドリッキ(Endrick, 2006)を擁するパウメイラスの前に敗退したものの、準々決勝でRBブラガンチーノを下し、名門サントスを上回るベスト4の成績を残した。
2022年(年初16歳)は、U-17チームと並行してU-20チームの試合にも出場。それぞれ12試合5得点、12試合出場の成績。
2023年1月開催のU-20全国大会カップ戦に出場すると、チームは4チーム一回戦総当たりの一次ラウンドで敗退するものの、そのプレー内容が評価され、大会終了後にインテルナシオナウU-20チームからオファーを受ける。
インテルナシオナウU-20チーム加入後は、3月に開幕したU-20全国選手権のグループラウンド9試合、決勝ラウンドベスト8のH&A2試合(チームはここで敗退)のチーム全試合に背番号「10」をつけて先発出場。
2023年は、U-20カテゴリーの州選手権、コパ・ド・ブラジルを含め23試合1得点1アシストの成績を残した。
2024年(年初18歳)に入り、1月開催のU-20全国大会カップ戦に出場。主力選手の一人として出場するが、チームは一次予選グループラウンドを勝ち抜いたものの、以降ノックアウト方式となる二回戦にて敗退。
カップ戦閉幕後は4月初めに開幕するU-20全国選手権に向けたトレーニングが始まる3月まで、U-20カテゴリーの選手は休暇期間に入る。グスタヴォ・プラードは、リオデジャネイロの実家に帰省し家族と休暇を過ごしていたが、ある木曜日の晩、10時頃に一本の電話が鳴る。「エドゥアルド・クーデ(Eduardo Coudet)監督がトップチームへの合流を希望しているようなんだが、何か予定が入っているか?」と代理人の一人が電話口で話した。
≪インテルナシオナウ≫
– 2024 –
翌週の月曜日には約1500㎞離れたリオグランデドスル州ポルトアレグレのインテルナシオナウトップチームのトレーニングに参加。
2024年2月3日州選手権第5節カシアス戦の後半24分にピッチに送り出され18歳でのプロデビューを飾る。
2月11日第7節では先発に抜擢されフル出場。その後も、2試合に一度のペースで試合に起用される。
3月2日第11節ジュヴェントゥージ戦にて先発に起用されると、後半開始15秒、相手陣右サイドでボールを受け、ゴールライン際までボールを持ちあがりゴール前にクロス。これをファーサイドでFWウェズレイ(Wesley, 1999)が頭を合わせゴール。グスタヴォ・プラードはプロ初アシストを記録。
この後、州選手権は決勝ラウンドに入り、しばらくの間、出場機会を失ったものの、4月2日のコパ・スウアメリカーナで一か月ぶりに試合に出場すると、翌10日のコパ・スウアメリカーナにも起用され、連戦で試合出場を果たす。
4月13日全国選手権開幕節バイーア戦にて後半38分に途中交代でピッチに送り出される。さらには、17日第2節パウメイラス戦、21日第3節アトレチコ・パラナエンセ戦の連戦に後半途中にピッチに立つと、停滞する攻撃陣を活性化する活躍を見せる。
4月25日コパ・スウアメリカーナでスタメンに抜擢されると、高い位置で相手のビルドアップに圧力をかけ攻撃の芽を摘むディフェンスや、相手陣でゴールを脅かすパスを繰り出すなど、与えられた機会を逃さず自らの特長を試合で出していく。
しかし、4月末から5月の初めにかけて降り続いた雨によりインテルナシオナウの本拠地・ポルトアレグレが甚大な水害被害に遭い、インテルナシオナウもスタジアムや練習場が被災、チームはジプシーのような移動を強いられるようになる。そのような厳しい状況の中、グスタヴォ・プラードを抜擢したエドゥアルド・クーデ監督が解任。新たに監督に就任したホージェル・マシャード(Roger Machado)監督は戦術の舵を大きく変えたものの、グスタヴォ・プラードは後半半ば以降の交代要員として多くの試合に投入され続ける。
2025年9月11日全国選手権順延された第19節フォルタレーザ戦(H)もまた、1‐1のスコアで同点の後半32分での交代出場となったが、後半39分、右CKからゴール前の混戦にCBヴィトン(Vitão, 2000)がシュート、ゴールポストに阻まれた跳ね返りのボールをグスタヴォ・プラードが角度のない位置からダイレクトにゴールに流し込み、プロ初ゴールを決勝ゴールで飾った。
その後も交代出場が中心となったものの試合にはコンスタントに起用され、プロデビュー年となった2024年は公式戦41試合の出場記録を残した。
– 2025 –
2025年シーズンは、2025U-20南米ユース選手権にて始動。同大会の優勝を手土産にクラブに凱旋する。
2025年2月22日リオグランデドスル州選手権準決勝カシアス戦1stレグ(A)にて、やはり途中交代出場でインテルナシオナウでのシーズンを迎えると、3月1日2ndレグでは先発に抜擢。
しかし、3月8日決勝戦グレミオ戦1stレグ(A)でスタメン落ちを喫すると、2ndレグはベンチを温めることとなる。
その後しばらく出場機会を失うが、4月29日コパ・ド・ブラジル三回戦マラカナン戦1stレグ(H)の後半12分にピッチに送り出されると、後半45+3分に決勝ゴールをマーク。
5月22日コパ・ド・ブラジル三回戦マラカナン戦2ndレグ(A)にて3月1日以来のスタメンに抜擢されると、全国選手権、リベルタドーレスと3試合連続の先発起用。その期待に応えるかのように、5月25日全国選手権第10節エスポルチ戦(A)では後半3分に貴重な同点ゴールを奪った。
≪シーズン別クラブ出場記録≫
シーズン | 所属 | 大会 | 試合 | 出場 時間 | 得点 | アシ スト |
---|---|---|---|---|---|---|
2024年(19歳) | インテルナシオナウ | コパ・スウアメリカーナ | 7 | 146 | 0 | 0 |
全国選手権 | 28 | 648 | 1 | 0 | ||
コパ・ド・ブラジル | 2 | 19 | 0 | 0 | ||
州選手権 | 4 | 183 | 0 | 1 | ||
合計 | 41 | 996 | 1 | 1 | ||
2025年(20歳) | インテルナシオナウ | リベルタドーレス | 2 | 72 | 0 | 0 |
全国選手権 | 7 | 243 | 1 | 0 | ||
コパ・ド・ブラジル | 2 | 123 | 1 | 0 | ||
州選手権 | 3 | 108 | 0 | 0 | ||
合計 | 14 | 546 | 2 | 0 |
イタリック斜体は、2025年6月26日現在の記録。
※ シーズン欄の年齢は、12月31日時点の年齢です。
<代表(世代別含む)経歴>
– 2024 –
2024年9月20日、CBFよりU-20代表合宿招集メンバーが発表され、代表23選手の一人として招集。
グスタヴォ・プラードにとって初の世代別代表への招集。
なお、この代表合宿は、2025年1月にペルーにて開催が予定されているU-20南米ユース選手権を照準とした2度目の合宿。合宿期間は10月7日~15日。
関連記事 : [2024.09.20発表]<ブラジルU-20代表招集>
2024年10月25日、CBFよりU-20代表合宿招集メンバーが発表され、代表23選手の一人として招集。この代表合宿は、2025年1月にペルーにて開催が予定されているU-20南米ユース選手権を照準とした4度目の合宿。合宿期間は11月11日~19日。
関連記事 : [2024.10.25発表]<ブラジルU-20代表招集>
– 2025 –
2024年12月20日に発表された2025U-20南米ユース選手権代表23選手の一人として選出。
関連記事 : [2025年U-20南米ユース選手権] U-20ブラジル代表選手一覧
<2025U-20南米ユース選手権>
1次リーグ2試合86分出場、1アシスト。
2025年1月26日第2節ボリビア戦(〇2‐1)にて後半22分にピッチに送り出される。
1月30日第3節エクアドル戦(〇3‐2)ではスタメンに抜擢。前半27分には、相手PA右外から正確なクロスをゴール前に送りFWデイヴィジ・ワシントン(Deivid Washington, 2005)のチーム2点目のゴールをアシスト。
決勝ラウンド全5試合に先発、358分間の出場。
2月4日第1戦ウルグアイ戦(〇1‐0)、2月7日第2戦コロンビア戦(〇1‐0)、2月10日第3戦パラグアイ戦(〇3‐1)、2月13日第4戦アルゼンチン戦(△1‐1)、2月16日第5戦チリ戦(〇3‐0)
2月10日第3戦パラグアイ戦(〇3‐1)では、前半15分、右サイドをFWハイアン(Rayan, 2006)とのタベーラでPAに侵入。戻りのパスはカットされたものの、すばやく奪い返し、角度のない位置から僅かな隙を狙ったニアサイドへの強烈なシュートでチームに先制点をもたらした。
2025年5月26日、CBFよりU-20代表メンバーが発表され、代表23選手の一人として招集。
この招集は、9月27日にチリで開幕するU-20W杯2025に向けた、アイスランド、サウジアラビア、韓国との国際親善大会に向けたもの。
初戦アイスランド(△0‐0)および第3戦韓国戦(〇4‐0)に出場し、韓国戦で1得点を記録。第2戦サウジアラビア戦については、メンバー非公表のため、試合出場の確認は出来ていない。
<プレースタイル、エピソード、雑感 etc.>
利き足は右。
身長179㎝、体重70㎏(2024年5月1日サッカーサイト「oGol」参照)
フットサルで培った足元の技術は高く、試合の先読む戦術眼や瞬間的な判断力、チームに推進力を与えるプレーが特長だとして、グスタヴォ・プラードを見出したインテルナシオナウのスカウトは話している。さらに、攻撃面では個人で打開する力を持ち、広い視野からアシストも多く、また、高いシュート技術も持っている、とも評価している。
2024年2月のトップチームデビュー後は、エドゥアルド・クーデ監督は出場時間に関わらず、一週間に一度の起用を続けていたが、4月に入ると身体的な成長もあり連戦で試合に起用。
また、4月に入ると、攻撃面では記録上の得点関与はないものの、複数の試合で決定的なスルーパスを送るなど期待通りの活躍。守備面でも高い位置でプレスを仕掛けるチームスタイルに順応している。今後も多くの出場機会を得て、得点やアシストといった記録も自ずと増えていくものと思われる。
プレースタイルはやや異なるものの、現在のチームの主力でパリ五輪南米予選でレギュラーを務めたMFマウリシオ(Maurício, 2001)は予てから移籍の噂も多く、早ければ7月にも退団の可能性があり、その後継者としての期待があるものと思われる。
2024年4月中旬にインテルナシオナウは代理人と契約更改交渉を進め、契約期間を2028年まで延長し、6000万ユーロ(約100億円)の契約解除金の設定を提示している。インテルナシオナウはチームの主力への成長と共に、将来的な欧州への売却も想定している。
幼い頃はビッグクラブの下部組織に定着できず、下位リーグに参戦するクラブの下部組織でようやくレギュラーとなり試合経験を積むと、トヨタカップやリベルタドーレスなどのタイトルを有する名門インテルナシオナウに見出され、下部組織への入団からわずか一年と少しの在籍で将来性を担保に100億円の契約解除金が設定される見込み。
しかし、まだプロサッカー選手としてはスタート地点に立ったばかり。自分の素質と才能と見出し、成長を促してくれるクラブや指導者に巡り合った幸運を無にすることなく、一試合一試合、一日一日を大事に、地に足をつけた成長を期待したい。
インテルナシオナウサポーターの間では、アメリカのラッパーで音楽プロデューサーの「カニエ・ウェスト」に似ているとSNS上で話題が沸騰。
本家カニエ・ウェストは、同じくラッパーでプロデューサーのジェイ・Zに才能を見い出され、2001年を転機に一気にトッププロデューサーとしての階段を駆け上がった。ジャンルは異なるものの、2024年エドゥアルド・クーデ監督に見出されたグスタヴォ・プラードは、プロデビューをきっかけに、トップサッカー選手としての階段を一気に駆け上がることができるだろうか。
(2025年6月25日追記)
飛躍的な成長はないものの、インテルナシオナウでは交代出場で経験を重ね、世代別代表にも選出され、クラブ、代表のいずれでもゴールが生まれだすなど、持続的な成長を続けているグスタヴォ・プラード。
2025年2月には欧州ビッグクラブのモニタリングの対象となり、2025年6月現在、正式なオファーは届いていないものの、イングランド、ポルトガル、イタリアなど、複数のクラブから関心を集めている。 インテルナシオナウは、2025/26シーズン前での移籍を容認しており、このタイミングでの欧州移籍が実現する可能性は高い。
エンドリックを筆頭に、エステヴァン、ギリェルメ以外に超逸材って他にいますか??
15歳〜17歳あたりで!
2006年~2008年生まれは、これからトップチームに起用されるようになる年代なので、名前を上げた3選手に並ぶような超逸材は今のところ見当たらないですね。それにこの3選手はたまたま世代が近いですが、数年、十数年に一人と思わせる超逸材なのでなおさらです。
当ブログで紹介済みの2009年生まれサントスFC所属FWダヴィジ・ノゲイラ (David Nogueira)選手は9歳でプーマと5年間のスポンサー契約。
2012年生まれと思われるサントスFC所属FWカウワン・バジーリ(Kauan Basile)選手が、U-11カテゴリー州選手権でFWホドリゴ(現レアルマドリード)選手、FWエンドリッキ選手を上回るゴールを記録したそうで、この2選手が現在のところ超逸材候補ですかね。
面白いところで、元ブラジル代表、元レアルマドリード、現フルミネンセ所属SBマルセロ選手の息子(2009年生まれ)が、2023年に13歳にしてスペインU-15代表に選出されたという記事を一年位前に見かけました。レアルマドリードの下部組織では多くのゴールを記録しているとのことで、彼も超逸材候補かもしれませんね。