ギ・ネガォン (Gui Negão)

投稿者: | 2025年9月23日
新規投稿 : 2025/09/23
更新履歴 : -

ギ・ネガォン ブラジル 若手 逸材 センターフォワード 2007年生まれ コリンチャンス

ギリェルミ・ウィリアン・シウヴァ・イナシオ

Guilherme William Silva Inácio

ポジション:センターフォワード/セントロアヴァンチ

利き足:右足

2007年2月6日生まれ

<幼少期>

 ギ・ネガォン(Gui Negão)ことギリェルミ・ウィリアン・シウヴァ・イナシオ(Guilherme William Silva Inácio)は、ブラジル連邦共和国サンパウロ州サンパウロ市イタケラ(Itaquera)地区に生まれる。
 イタケラ地区にはコリンチャンスの本拠地ネオ・キミカ・アレーナが所在し、親戚家族のほとんどはコリンチャーノ(Corinthiano, コリンチャンスサポーターの通称)。コリンチャンスグッズに囲まれて育ったギリェルミも当然のようにコリンチャンスに憧れ、通学でネオ・キミカ・アレーナの脇を通るたびに「あのアレーナでプレーしたいなあ」と夢見ていた。

<クラブ経歴>

≪育成時代

 夢の実現に向けての第一歩は9歳の時、コリンチャンス下部組織のフットサルチームに入団。
 12歳でサッカーに転向した後は順調にカテゴリーを昇格していき、2019年U-12慶州国際大会、2022年U-15ヴォトランチン杯(旧・U-15コパ・ド・ブラジル)のチームの優勝に貢献。
 2023年(年初15歳)にU-17チームへ昇格。
 4月15日~11月4日にかけて開催されたU-17サンパウロ州選手権では、開幕節に途中交代で試合に出場すると決勝戦2ndレグまでのチーム全26試合のうち23試合(うち先発6試合)に出場し3得点を記録。決勝サンパウロ戦では1stレグ:1‐2、2ndレグ:1‐0で迎えたPK戦にて第1キッカーを務め成功。コリンチャンスはPK戦:3‐2のスコアでサンパウロを上回り優勝を収めた。
 また、2023年7月5日~10月21日に開催されたU-17全国選手権では、チーム全13試合のうち、すべてが途中交代出場ながら12試合に出場し3得点を記録。チームは惜しくも準決勝で敗退したものの、ギリェルミは両大会で年間38試合に出場(6得点)し、トップチームへの昇格候補の一人と認識され、それに足る十分な経験と実績を残した。
 2024年(年初16歳)最初の大会は3月1日に初戦を迎えたU-17コパ・ド・ブラジル。同大会ではチームが敗退する準々決勝までの5試合すべてにセンターフォワードとして先発を務め90分間のフル出場を果たし2得点を記録。
 U-17コパ・ド・ブラジル敗退後はU-20チームに合流。その一週間後の4月17日に開幕したU-20全国選手権では開幕節の後半開始時にピッチに送り出され後半22分にチーム2点目のゴールを記録。翌節以降は並行開催されるU-20州選手権も含め連戦にスターティングイレブンとして出場。
 6月16日にはアントニオ・オリヴェイラ(António Oliveira)監督率いるトップチームに招集を受け全国選手権第9節ネオ・キミカ・アレーナでのサンパウロとのクラシコにベンチ入りを果たす(出場機会なし)。
 その後はU-20チームを中心にU-17チームでも並行して試合出場を重ねていく。
 10月に両カテゴリーの公式戦が終了するとトップチームに再合流。出場機会こそ訪れなかったものの、全国選手権の2試合にベンチ入りを果たした。
 2024年は最終的に、U-20チームで27試合4得点、U-17チームで15試合6得点の成績を収めた。
 2025年(年初17歳)はU-20チームに正式に昇格。
 1月開催のU-20全国大会カップ戦では4チームによるグループラウンドでの1試合を除く全試合にスタメン出場。1月25日決勝サンパウロ戦ではチームの2点目のゴールを記録。試合は惜しくも2-3で敗れたもののチームは準優勝。ギリェルミは8試合2得点1アシストの成績を残した。
 同大会終了後はラモン・ディアス(Ramón Díaz)監督率いるトップチームに招集。試合はベンチ入りに止まり出場機会はなかったが、約一か月間トップチームでトレーニングを重ねた。
 3月14日にU-20全国選手権が開幕すると主力選手の一人として連戦に出場。不定期ながら引き続きトップチームのトレーニングにも参加する。

コリンチャンス≫

– 2025 –

 2025年6月1日全国選手権第11節ヴィトーリア戦(H)。センターフォワードの絶対的なレギュラーFWユーリ・アウベルト(Yuri Alberto, 2001)が前節のケガで戦列を離脱。2番手のFWエクトル・エルナンデス(Héctor Hernández, 1995)もケガのため戦列を離れており、ギリェルミにベンチ入りのチャンスが訪れた。すると、後半35分、大観衆に包まれたネオ・キミカ・アレーナのピッチに送り出されプロデビューを飾った。
 6月12日全国選手権第12節を最後にクラブW杯開催による中断期間に入るが、ギリェルミは引き続きトップチームのトレーニングに参加。
 7月1日にはコリンチャンスと契約を更改し公式にトップチームに昇格。
 中断明け2試合目となる7月16日全国選手権第14節セアラー戦(A)にてトップチームでの初スタメンに抜擢。フル出場を果たしチームの1-0の勝利に貢献。
 8月16日第20節バイーア戦(H)にてセアラー戦以来のスタメンに起用されると、0-1で迎えた前半31分、右CKから混戦となる中、ゴール前のビシクレッタでプロ初ゴールをマーク。
 8月24日第21節ヴァスコ・ダ・ガマ戦(A)もまた先発に起用され、1-1で迎えた後半24分、PA内右ゴールライン際からの右SBマテウジーニョ(Matheuzinho, 2000)の低く鋭いクロスに、ファーサイドから絞り込むようにゴール前に現れ右足をダイレクトに合わせる勝ち越しゴール。
 8月27日コパ・ド・ブラジル準々決勝アトレチコ・パラナエンセ戦1stレグ(A)も後半13分に右SBマテウジーニョのクロスにゴール前でフリーの体勢からダイレクトにボールをゴールに流し込むこの試合唯一のゴールをマーク。
 8月31日全国選手権第22節でゴールは生まれず4試合連続ゴールとはならなかったものの、9月10日コパ・ド・ブラジル準々決勝アトレチコ・パラナエンセ戦2ndレグ(H)では、前半43分に相手陣で相手ビルドアップのボールを掻っ攫い、そのまま最終ライン裏へスルーパスを送りMFロドリゴ・ガーロ(Rodrigo Garro, 1998)の先制点をアシスト。さらに後半18分にはPA内でスルーパスに反応、一度は転倒しながらも素早く立ち上がり、混戦で浮いたボールに右足を合わせ準決勝進出を決定づけるゴール。
 ケガ人が相次ぐ厳しいチーム状況の中、8月16日の試合でプロ初スタメンに抜擢されたギリェルミは2025年9月20日現在で6試合連続先発出場を果たし4得点1アシスト。チームも4勝1分1敗の成績でコパ・ド・ブラジルは準決勝に進出、全国選手権は14位から10位まで順位を上げている。

≪シーズン別クラブ出場記録≫

シーズン所属大会試合出場
時間
得点アシ
スト
2025年(18歳)コリンチャンス全国選手権945220
コパ・ド・ブラジル216721
 合計1161941
イタリック斜体は、2025年9月23日現在の記録。
※ シーズン欄の年齢は、12月31日時点の年齢です。

<代表(世代別含む)経歴>

 特になし。

<プレースタイル、エピソード、雑感 etc.>

 利き足は右足。
 身長179㎝、体重77kg(サッカーサイト「oGol」2025年9月22日参照)。
 ポジションはセンターフォワード。
 センターフォワードとして際立った高さはないが、相手最終ラインの背後を突くプレーや、ゴールへの嗅覚、ポジショニングセンスに優れる。また、ドリブルも得意とする。
 相手陣内でのプレッシングでは、コースを切る場面とボールを奪いに行く場面を使い分け、ボール奪取能力もFWの選手としては高いものを持つ。自陣では、身体能力の高さを生かし攻守の切り替えのポストプレーをこなし、時には流れの中で自陣深くまで守備に戻る献身性も併せ持つ。
 前への推進力が高く味方を生かすプレーもしばしば見られ、守備への献身性も含め、チームプレーに忠実な印象がある。

 欧州クラブ所属の同タイプの選手例:
 ヴィクター・オシムヘン(Victor Osimhen, 1998, 2025/26ガラタサライ/TUR所属, ナイジェリア国籍)
 ホドリゴ・ムニス(Rodrigo Muniz, 2001, 2025/26フラム/ENG所属)

 コリンチャンスクラブ幹部は、「2025年9月に締まった移籍ウィンドウでは、モンペリエ/FRAから1400万ユーロ(約24億円)での買取オプション付期限付き移籍のオファーが届いた(クラブは交渉拒否)。また、公式オファーはなかったものの、ゼニト/RUSやイングランドの2クラブ、カタールの1クラブから照会があった。しかし、8月以降のギリェルミの好成績を踏まえ、2025年全国選手権終了後の冬期移籍ウィンドウに向け、移籍金の目安を2000万~2500万ユーロ(約34億円~43億円)に再設定した」と話している。
 同時にギリェルミの代理人はイングランドクラブの動向に注目していると報道されており、今後の活躍次第では2026年初めにはプレミアリーグへの移籍が実現する可能性がある。
 育成カテゴリーでの数字上の成績は目を見張るものはないが、生まれ持った身体能力は高く、プレースタイルはチームプレーを第一にした全員守備全員攻撃に対応。コリンチャンストップチーム昇格後には決定力も高まっており、数年後には欧州ビッグクラブや代表での活躍を目にすることもあるのではないだろうか。

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