カイキ・ケンジ (Kaique Kenji)

投稿者: | 2025年8月19日
新規投稿 : 2025/08/19
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カイキ・ケンジ・タカムラ・コヘア

Kaique Kenji Takamura Correa

ポジション:左ウィング/ポンタ・エスケルダ

利き足:右

2006年1月30日生まれ

<幼少期>

 ブラジル連邦共和国サンパウロ州サンパウロ(São Paulo)市に生まれる。
 父はクレーベル・デ・カルヴァーリョ・コヘア(Kléber de Carvalho Corrêa)。2度のコンフェデレーションズ杯(03年、09年)や07年コパ・アメリカなど、左サイドバックとしてブラジル代表21試合1得点の成績を残している。また、母は日本国籍とイタリア国籍を持ち、ケンジは日本国籍を取得しているものと思われる。

<クラブ経歴>

≪育成時代

 10歳になる前からコリンチャンス傘下のサッカースクールでプレー、同時にサンパウロ市内のエスポルチーヴォ・ダ・ペーニャでフットサルもプレーした。
 11歳から13歳の間はジュベントス-SP(当時トップチームはサンパウロ州選手権2部)でプレーし、サン・カエターノ(同サンパウロ州選手権1部)でU-15とU-17のサンパウロ選手権に出場。その頃の活躍がクルゼイロの注目を集めた。
 2022年半ばにクルゼイロU-17チームに入団。
 9月3日U-17ミナスジェライス州選手権準決勝アメリカ・ミネイロ戦2ndレグにて10分間の出場機会を得ると、U-17全国選手権やU-17州選手権決勝戦(ホーム&アウェイ)など6試合に出場。チームはU-17州選手権に優勝を収めた。
 2023年(年初16歳)は3月8日U-17コパ・ド・ブラジルにて先発に起用されると、5月6日に初戦を迎えたU-17州選手権では連戦に先発出場。7月6日にU-17全国選手権が開幕し、U-17州選手権と並行して開催されると、U-17全国選手権を中心に試合に出場した。
 2023年の成績は、U-17チームにて18試合6得点。
 なお、2023年にはクルゼイロとプロ契約を結んだ。
 2024年(年初17歳)1月31日にU-20チームに昇格。
 4月3日U-20全国選手権開幕節の後半12分にピッチに送り出され後半39分にゴール。その後の4試合も途中出場ながら連続して出場機会を得る。
 5月12日U-20州選手権開幕節にてU-20チームで初めてスタメンに抜擢されるとハットトリックを記録。
 続く5月16日U-20全国選手権サンパウロ戦ではスタメン出場から2得点。以降はU-20全国選手権、U-20州選手権、U-20コパ・ド・ブラジルの多くの試合でスタメン出場を果たしていく。
 出場時間を重ねるにつれ得点も量産。6月18日U-20全国選手権コリンチャンス戦では再びハットトリックを達成する。
 2024年9月6日クルゼイロとの契約を更改。
 9月20日、2025年U-20南米ユース選手権に向けた3度目の代表合宿に自身初の世代別代表招集(残念ながら合宿直前の試合でケガを負い招集を辞退)。

クルゼイロ≫

– 2024 –

 2024年11月20日全国選手権第34節コリンチャンス戦(A)にて初めてトップチームのベンチ入りを果たすと、後半27分、ピッチに送り出されプロデビュー。
 その後は、11月23日国際大会のコパ・スウアメリカーナ決勝ラシン・クラブ/ARG戦も含め、4試合に途中交代出場を果たした。
 1月のU-20チーム昇格に始まり11月のプロデビューを果たすなど飛躍の年となった2024年の成績は以下の通り。
 U-20チームにて39試合28得点。
 トップチームでは5試合49分の出場記録を残した。

– 2025 –

 2025年(年初18歳)は1月に開催されるU-20全国大会カップ戦に出場。ベスト8でチームが敗退するまでの全7試合に先発出場を果たし3得点を記録。
 3月12日に初戦を迎えたU-20全国選手権では、開幕節での1得点1アシストなど6試合を経過した時点で3得点1アシストの成績を収め、トップチームへ合流。
 2025年4月24日コパ・スウアメリカーナGR第3節で途中交代出場を果たすと、続く5月7日第4節も途中交代出場。5月14日第5節、5月28日第6節ではスタメンに抜擢された。
 2025年8月18日現在、直近の3か月間はコパ・スウアメリカーナを除いて、全国選手権1試合8分、U-20チームでの2試合と出場機会に恵まれていない。しかし、U-20代表として8月8日、11日に開催されたパラグアイU-20との国際親善試合に出場を果たしている。

≪シーズン別クラブ出場記録≫

シーズン所属大会試合出場
時間
得点アシ
スト
2024年(18歳)クルゼイロコパ・スウアメリカーナ1500
全国選手権44400
 合計54900
2025年(19歳)クルゼイロコパ・スウアメリカーナ421600
全国選手権1800
 合計522400
イタリック斜体は、2025年8月18日現在の記録。
※ シーズン欄の年齢は、12月31日時点の年齢です。

<代表(世代別含む)経歴>

– 2024 –

 2024年9月20日、2025年U-20南米ユース選手権に向けた3度目の代表合宿(10月7-15日)に招集。自身初の世代別代表への招集を受けた。しかし、9月30日U-20全国選手権決勝パウメイラス戦にてケガを負い、この代表合宿は辞退を余儀なくされた。
   関連記事 : [2024.09.20発表]<ブラジルU-20代表招集>

– 2025 –

 2025年7月21日、CBFより8月8日と11日に開催が予定されているU-20パラグアイ代表との親善試合に向けたU-20代表への招集が発表された。前回の代表招集時はケガのために辞退したため、この招集は実質的な世代別代表への初招集となった。
 8月8日初戦(〇2‐0)、11日第2戦(〇2‐1)のいずれの試合も中盤の攻撃的なポジションに途中交代出場。第2戦ではチームの2点目のゴールに絡んだ。
 2025年9月27日にチリにて開幕するU-20W杯への代表招集が期待されている。

<プレースタイル、雑感 etc.>

 利き足は右。
 身長178㎝、体重69kg。(サッカーサイト「oGol」2025年8月18日参照)
 主なポジションは左ウイング。
 主な長所は以下のとおり。
 推進力のあるドリブル。瞬間的に突破する瞬発力があるわけではないが、緩急をつけ、蹴りだしの大小を使い分けたドリブルで、ボールを前へと運んでいく。左サイドから中央への切れ込みも魅力の一つ。
 恵まれた体格を活かした空中戦。180㎝近い高さと頑強な体躯、バネのある跳躍力が高い到達点を可能としている。
 キック精度、シュート力。U-20チームではしばしばFKのキッカーを務めた。中央への切れ込みから放たれるシュートは、コースを狙ったファーサイドへの巻き込むシュートとニアサイドへの強烈な力強いシュートを使い分ける。左足でのシュートはあまり見られないがクロス精度は高い。
  一方で課題は守備。チェイシングやプレスバックでのパスコースを切るポジショニングなどが課題として挙げられる。

 父・クレーベルは、コリンチャンスやサントス、インテルナシオナウなど、主にブラジル国内で活躍した左サイドバック。守備面が評価されドゥンガ(Dunga)監督率いるブラジル代表を中心に21試合の経歴を持つ。
 現在はケンジの代理人として活動し、良き理解者としてプレー面や精神面でケンジを支えている。
 試合がある時は、当日は試合への集中を妨げないよう必ず前日にアドバイスを施し、試合後にはプレー内容に関わらず初めに良かった点を列挙、ポジティブな内容を確認した後に個別にプレーを批評するという。
 2025年8月現在、守備面がケンジの課題として挙げられるが、クラブでのトレーニングだけでなく父からアドバイスを仰ぎ、次第にこの課題は解消していくだろう。

 コリンチャンス傘下のサッカースクールでサッカーを始めたものの、多くのエリート選手と異なり、ジュベントス-SPやサン・カエターノといった決して大きくはないクラブで10代前半を過ごしたカイキ・ケンジ。しかし、2022年に名門クルゼイロU-17チームへの加入を勝ち取ると、2024年に素質を一気に開花させ、18歳でプロデビューを果たした。
 2024年のクルゼイロU-20チームは、U-20全国選手権とU-20全国大会カップ戦の両大会に準優勝を果たした。しかし、トップチームは2024年半ばから大型補強を継続しているため、多くの有望な若手選手が期限付き等で他クラブへ移籍している。その中で、ケンジはクルゼイロに残り、僅かとはいえトップチームで試合出場機会を得ている。これはクラブからの期待の表れと言えるだろう。

 2025年9月にはU-20W杯が控えている。2005年生まれが主体となる大会だが、何とか代表に選出され、世界中のスカウトからの注目を集めたい。そして、多くの移籍金をクルゼイロに残し、世界の舞台へと飛び立っていきたい。

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