カウワン・プラチス (Kauã Prates)

投稿者: | 2025年8月13日
新規投稿 : 2025/08/13
更新履歴 : ‐‐‐

若手 逸材 ブラジル サッカー サイドバック センターバック クルゼイロ 2008年生まれ カウワン・プラチス

カウワン・プラチス・デ・アウメイダ

Kauã Prates de Almeida

ポジション:センターバック/ザゲイロ、サイドバック/ラテラウ

利き足:左

2008年8月12日生まれ

<幼少期>

 ブラジル連邦共和国エスピリトサント州の北部、人口18900人(2022年)の小さな町モンターニゃ(Montanha)に生まれる。

<クラブ経歴>

≪育成時代

 2019年クルゼイロ下部組織の入団テストに合格、クルゼイロU-11でキャリアがスタートする。
 2023年6月14日U-15ブラジル代表に選出。自身初の世代別代表への招集。
 同年終盤には、ゼ・ヒカルド(Zé Riacardo)監督率いるトップチームのトレーニングに参加するようになる。
 2024年(年初15歳)クルゼイロU-17カテゴリーに昇格。
 2月29日U-17ミナスジェライス州選手権で初試合を迎えると、3月5日、12日U-17コパ・ド・ブラジルベスト8ゴイアス戦にてスタメンフル出場。4月16日、23日同準決勝サンパウロ戦もまたスタメン出場を果たす(チームは敗退)など、昇格間もなく左サイドバックとしてスタメンの座を掴み取る。
 その後U-17州選手権の4試合に出場すると、6月18日、15歳ながらU-20全国選手権にて本来とは異なる左センターバックとして20分間の出場。4日後のU-20州選手権では左センターバックとしてスタメン出場。
 以降は、U-20チームでは左センターバック、U-17チームでは左サイドバックとして多くの試合に出場。
 最終的に2024年は、U-17チームにて16試合(うち先発15試合)、U-20チームにて23試合(うち先発20試合)に出場。
 クルゼイロU-20が準優勝の成績を収めたU-20全国選手権では、準決勝(1試合)、決勝(H&A)にて先発フル出場を果たした。
 U-20、U-17両カテゴリーの主要大会が終了すると、フェルナンド・ジニース(Fernando Diniz)監督率いるトップチームのトレーニングに参加するようになる。
 2024年は、9月11日にクルゼイロとプロ契約を締結。契約期間はFIFAで規定されている最長期間3年。
 11月9日には2025年3月にコロンビアで開幕する南米U-17選手権にむけたU-17ブラジル代表への招集を受ける。
 2025年(年初16歳)は1月開催のU-20全国大会カップ戦にて始動。チームが敗退した準々決勝までの全7試合に3バック時にはセンターバック、4バック時には左サイドバックとしてスタメン出場。準々決勝サンパウロ戦では左足の豪快なシュートを決めた。

クルゼイロ≫

– 2025 –

 上述のU-20全国大会カップ戦敗退後はトップチームに合流し、2025年1月30日ミナスジェライス州選手権にて初のベンチ入り。
 2月初旬のU-17代表合宿や合宿時のケガ、3月28日開幕の南米U-17選手権に出場するため、一時的にチームを離脱するが、帰国後は再びトップチームに合流。
 5月1日コパ・ド・ブラジル三回戦、5月4日全国選手権第7節の2試合にベンチ入りを果たす(出場機会なし)。
 5月7日公式にレオナルド・ジャルジン(Leonardo Jardim)監督率いるトップチームに昇格する。
 2025年5月7日コパ・スウアメリカーナGR第4節ムシュク・ルナ(Mushuc Runa)/ECU戦(A)、左サイドバックとしてスタメンに抜擢され16歳8か月25日でのプロデビュー。FWホナウド・フェノーメノ(Ronaldo Fenômeno, 1976, 16歳3か月14日)、FWヴィトル・ホッキ(Vitor Roque, 2005, 16歳10か月4日)に並ぶ、16歳でのクルゼイロデビューとなった。
 コパ・スウアメリカーナは5月14日、28日にもスタメン出場(いずれもフル出場)、5月22日コパ・ド・ブラジル三回戦は10分間の出場機会を得る。
 2025年7月17日全国選手権第14節フルミネンセ戦(A)にてスタメンに抜擢。対戦相手のフルミネンセは同年6月に開幕したクラブW杯にて準決勝に進出した強豪。対面にはクラブW杯でベストイレブンに選出されたコロンビア代表31試合3得点、プレミアリーグのウルヴァーハンプトンへの移籍が決まりこの試合がフルミネンセでの最後と試合となるFWジョン・アリアス(Jhon Arias, 1997)。
 さらに前半途中からベネズエラ現役代表で52試合4得点の実績を残すドリブラーのFWソテウド(Soteldo, 1997)がFWジョン・アリアスとのポジションチェンジで対面となる。
 しかし、カウワンは粘り強いマークでほとんどすべての一対一の局面で相手を上回る。後半21分にベンチに退くまで集中力を維持し、ドリブルを許さず、中への切れ込みを阻み、クロスを上げさせない。この試合で相手の右サイドを封じ込めたクルゼイロは前半に上げた2ゴールを守り抜き2‐0の勝利を収め暫定ながら首位に浮上。カウワンはこの貴重な勝利に大きく貢献した。

≪シーズン別クラブ出場記録≫

シーズン所属大会試合出場
時間
得点アシ
スト
2025年(17歳)クルゼイロコパ・スウアメリカーナ325800
全国選手権16300
コパ・ド・ブラジル11000
 合計533100
イタリック斜体は、2025年8月12日現在の記録。
※ シーズン欄の年齢は、12月31日時点の年齢です。

<代表(世代別含む)経歴>

– 2023 –

 2023年6月14日U-15ブラジル代表に選出。自身初の世代別代表への招集。この招集は2023年12月にボリビアで開催が予定されていた2023南米U-15選手権を照準とした初の代表合宿に向けたものだった。

– 2024 –

 2024年11月9日、コロンビアで2025年3月に開幕する南米U-17選手権にむけたU-17ブラジル代表に招集。。

– 2025 –

<2025南米U-17選手権>
 2025年2月10日、3月28日に初戦を迎える2025南米U-17選手権に向けた代表23選手の一人として選出。
★グループラウンド
 3月28日第1節ウルグアイ戦(△1‐1): 出場なし
 3月30日第2節ボリビア戦(〇3‐0): 先発フル出場
 4月 1日第3節対戦なし
 4月 3日第4節ベネズエラ戦(〇1‐0): 先発フル出場
 4月 5日第5節エクアドル戦(〇3‐2): 先発フル出場
★決勝ラウンド
 4月 9日準決勝チリ戦(〇1‐0): 先発フル出場
 4月12日決勝コロンビア戦(△1‐1, PK〇4‐1): 先発フル出場
 初戦を除く5試合に左センターバックとして先発フル出場。コロンビアと並ぶ大会最少失点(4失点)を誇った守備陣の中核として、ブラジル代表の優勝に貢献した。

 2025年5月30日、6月に予定されるU-17ブラジル代表合宿にセンターバックとして招集。この招集は11月にカタールにて開催が予定されているU-17W杯を照準とした初の代表合宿に向けたもの。同大会でブラジル代表は、ホンデュラス、インドネシア、ザンビアと同じグループHとなっている。
 8月4日、同月15‐24日に予定されているU-17ブラジル代表合宿に招集。この合宿期間中の21日と24日にU-17コスタリカ代表との国際親善試合が予定されている。

<プレースタイル、エピソード、私感 etc.>

 利き足は右。
 身長183cm、体重73㎏。(サッカーサイト「oGol」2025年8月12日参照)
 テレビ観戦した2025年7月17日フルミネンセ戦の衝撃が忘れられない。
 クラブW杯ベストイレブンのFWジョン・アリアスのスピードある抜け出しを狙った背後へのフィードへは適切に対応、足元へのパスにも適度な間合いで詰め、攻撃の起点とさせない。瞬発的なスピードや鋭角な方向転換でドリブル突破を狙うベネズエラ代表52試合4得点のFWソテウドのドリブルはことごとく阻止。
 ここ数年、FWジョン・アリアスやFWソテウドがいとも簡単にマークを外し何度となく決定的なチャンスを作り出すシーンを見てきただけに、彼らに対峙する選手が16歳の選手とは夢にも思わなかった。
 また、逆サイドからの相手の攻撃時にはクロスボールを何度かカット。マイナス気味に送られたボールにはGKの位置を踏まえてシュートコースを防ぐなど、的確なポジショニングは高いセンスが感じられた。
 183cm、73㎏の体格は、トップチームの最終ラインに並んでも遜色なく、一対一の対峙での低くぶれない態勢は体幹の強さを証明している。
 攻撃面では瞬発的なスピードは感じられないが、スピードに乗ったオーバーラップは迫力があり、左足から繰り出される豪快なシュートも魅力の一つだ。

 上述のフルミネンセ戦の試合後会見で、モナコ/FRAで2016/17シーズンにリーグアンを制覇した経歴を持つレオナルド・ジャルジン監督は、カウワンのプレーや将来性について次のように称賛した。
 ”16歳のカウワンのプレーには疑う余地が一つもない。20歳になればさらにもっと良くなるよ。もし私がヨーロッパで指揮を執っていたら、いち早く契約を結ぶようにクラブに催促するね。”

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