ヒケウミ・フェリピ (Riquelme Felipe)

投稿者: | 2025年8月7日
新規投稿 : 2025/08/07
更新履歴 : -

若手 逸材 中盤 MF FW WG ブラジル ガーディアン ネクストジェネレーション

ヒケウミ・フェリピ・シウヴァ・デ・アウメイダ

Riquelme Felipe Silva de Almeida

ポジション:フォワード/アタカンチ、MF/メイオ・カンピスタ

利き足:左

2007年3月13日生まれ

<幼少期>

 ブラジル連邦共和国サンパウロ州の州都サンパウロ市から北西に約500km離れたアラサトゥーバ(Araçatuba)市に生まれる。
 ヒケウミという名前は、2025年現在ボカ・ジュニオルス/ARGの代表を務める元アルゼンチン代表MFフアン・ロマン・リケルメ(Juan Román Riquelme)から付けられた。
 地元のサッカースクールでの評判がリオデジャネイロに本拠を置くフルミネンセの関心を呼ぶ。

<クラブ経歴>

≪育成時代

 10歳の時にフルミネンセの下部組織に入団。
 各カテゴリーで様々な大会のタイトルを勝ち取る。
 2022年(年初14歳)シーズン途中に1年早くU-17カテゴリーに昇格。
 2022年4月3日、飛び級でU-17ブラジル代表に選出。
 2023年4月20日、16歳1か月7日でフルミネンセとプロ契約を締結。
 2023年シーズンのフルミネンセU-17チームは参加した4大会のうち2大会に優勝(U-17リオデジャネイロ州選手権優勝、U-17ヘコパ・リオ優勝、U-17コパ・リオ準優勝、U-17全国選手権準々決勝敗退)。
 ヒケウミはこのU-17チームで攻撃の司令塔として18試合(うち先発13試合)に出場し6得点をマーク。
 2024年(年初16歳)は1月に開催されるU-20全国大会カップ戦に出場。チーム全4試合のすべて(うち先発3試合)に出場。
 2月28日にU-17コパ・ド・ブラジル、3月9日にU-17コパ・リオが開幕すると、U-17コパ・ド・ブラジルを中心に試合に起用され、前者は7試合5得点、後者は4試合4得点。
 5月1日U-17コパ・ド・ブラジル決勝サンパウロ戦では、1‐1で迎えた後半45+6分、相手CKからの流れで相手ボールを奪い取りカウンターを主導。ハーフライン付近から縦にボールを送り自身がそのままゴール前に上がると、ゴールライン際からのマイナスのボールをゴール右のサイドネットに蹴り込む決勝ゴール。チームの優勝を呼び込んだ。
 U-17コパ・ド・ブラジル終了後はU-20チームに合流し6試合に出場。
 7月3日にU-17全国選手権が開幕すると再びU-17チームの主力として参戦。チーム全14試合のうち11試合(すべて先発)に出場し5得点。フルミネンセU-17チームはU-17全国選手権も制覇し、U-17コパ・ド・ブラジルとの二冠を達成した。
 U-20、U-17カテゴリーの日程終了後にはマノ・メネゼス(Mano Menezes)監督率いるトップチームに合流。
 2024年12月1日全国選手権第36節アトレチコ・パラナエンセ戦(A)にてベンチ入りを果たすと、いずれも出場機会こそ訪れなかったが、5日第37節、8日最終節の3試合にベンチ入りした。
 2024年成績:
 <U-17チーム>
 コパ・リオ4試合4得点(チームは5位)
 リオデジャネイロ州選手権11試合5得点(準決勝敗退)
 コパ・ド・ブラジル7試合5得点(優勝)
 全国選手権11試合5得点(優勝)
 <U-20チーム>
 全国大会カップ戦4試合(チームは二回戦敗退)
 リオデジャネイロ州選手権4試合(準決勝敗退)
 全国選手権4試合(9位)

フルミネンセ≫

– 2025 –

 2025年(年初17歳)1月11日トップチームに昇格。参加資格を有する1月開催のU-20全国大会カップ戦には登録されず、リオデジャネイロ州選手権に登録。
 2025年1月12日州選手権開幕節サンパイオ・コヘア戦(H)にて右ウィングとしてスタメンに抜擢されプロデビューを飾る。15日第2節にも先発出場。
 この2試合は主力選手がアメリカ遠征のためU-20主体のチームだったが、主力が復帰する1月18日第3節以降も途中交代出場ながら連戦に出場。
 2月5日州選手権第8節ヴァスコ・ダ・ガマ戦(A)、2月8日第9節フラメンゴ戦(H)の連戦となるクラシコで再び先発に抜擢され、ヴァスコ戦の勝利(2‐1)、フラメンゴ戦の引き分け(0‐0)に貢献した。
 州選手権準決勝には出場機会は訪れなかったが、決勝フラメンゴ戦(1stレグ3月12日(H)✕1‐2、2ndレグ3月16日(A)△0‐0)の2試合には途中出場、同大会はチーム全15試合のうち13試合の出場記録を残した。
 州選手権では多くの出場時間を与えられプレーでその期待に応えたが、州選手権終了後の3月18日、トレーニング中に左膝を負傷。靭帯断裂という最悪の事態は避けられたが、復帰まで2か月の重傷が診断された。
 2025年5月18日全国選手権第9節ジュヴェントゥージ戦(A)にて後半24分にピッチに送り出され戦列に復帰。
 しかし、その後はチームのクラブW杯参戦や選手補強もあり、7月にはU-20、U-23チームにて3試合に出場する。
 8月2日全国選手権第18節グレミオ戦(H)にて後半38分にピッチに立ち、トップチームでは2か月ぶりの試合出場を果たした。

≪シーズン別クラブ出場記録≫

シーズン所属大会試合出場
時間
得点アシ
スト
2025年(18歳)フルミネンセコパ・スウアメリカーナ11900
全国選手権34000
コパ・ド・ブラジル12000
州選手権1360600
 合計1868500
イタリック斜体は、2025年8月7日現在の記録。
※ シーズン欄の年齢は、12月31日時点の年齢です。

<代表(世代別含む)経歴>

– 2022 –

 2022年4月3日U-17ブラジル代表に選出。これは4月12日に初戦を迎えるモンテギュー国際大会 in France に向けた招集。
 ヒケウミにとっての世代別代表初招集となったが、同大会に出場記録はない。ベンチ入りしたものの出場機会が訪れなかったのか、ケガによる離脱なのか、その理由は不明。

– 2024 –

 2024年6月19日U-17ブラジル代表に選出。これは7月10‐14日に開催されるカスカイス・ルーゾ杯(Cascais Luso Cup) in Portugal に向けた代表招集。
 2024年10月25日に発表されたU-20代表合宿(2024年11月11日~19日)招集23選手の一人として選出。これは2025年1月にペルーで開幕する2025年U-20南米ユース選手権に向けた3度目の代表合宿。残念ながらU-20南米ユース選手権への招集は見送られた。
   関連記事 : [2024.10.25発表]<ブラジルU-20代表招集>

– 2025 –

 2025年7月21日U-20ブラジル代表(23選手)に選出。この招集は8月8日、11日にパラグアイで開催されるU-20パラグアイ代表との国際親善試合に向けたもの。この試合は併せて9月に開幕するU-20W杯に向けた強化試合と位置づけられる。

<プレースタイル、エピソード、雑感 etc.>

 利き足は左。
 身長175㎝、体重67kg。(サッカーサイト「oGol)」2025年8月7日参照)
 中央から右サイドにかけての中盤や前線が主なプレーエリア。
 戦術的視野が広く、トップチームでは主に右ウィングのポジションでプレーするが、育成カテゴリーでは攻撃の司令塔としてプレーしており、サイドから中央に流れ攻撃を組み立てることも得意とする。
 足元の技術は高く、柔らかく細かなタッチのドリブルを得意とし、パスの精度も高い。
 しかしながら、2025年8月2日全国選手権第18節グレミオ戦(H)では、ゴールライン際で "firula"(フィルーラ、足技を誇示する自分よがりで不必要なプレー)を見せ、試合後にヘナト・ポルタルーピ(Renato Portaluppi)監督から叱責を受ける精神的な未熟さを見せた。

 2024年10月に英紙「ガーディアン(Guardian)」特別記事「ネクスト・ジェネレーション2024」に2007年生まれの将来の逸材として全世界の60選手の一人として選出された。
 同記事によると、ヒケウミの名は父親がファンだった元アルゼンチン代表MFフアン・ロマン・リケルメ(Juan Román Riquelme)にちなんで授けられた。しかし、目標とする選手は、MFヒヴァウド(Rivaldo, 1972)とFWネイマール(Neymar, 1991)。特にMFヒヴァウドは、自身のプレースタイルとは異なるものの同じ左足を利き足とすることから、幼い頃から動画で繰り返しプレーを観て個人技の習得に励んだと紹介されている。

 フルミネンセ2007年生まれ世代は、ケガでピッチから離れているFWマテウス・ヘイス(Matheus Reis)も上記英紙ガーディアンのネクスト・ジェネレーション2024にヒケウミと共に選出されており、ヒケウミを含めた4選手が2025年シーズンにプロデビューを飾っているタレント揃いの世代。
 この世代は "エスクアドリーリャ07"(Esquadrilha 07, 「07世代飛行隊」)と呼ばれ、フル代表の経歴を有するFWジョアン・ペドロ(João Pedro, 2025/26年チェルシー/ENG)、FWルイス・エンヒキ(Luiz Henrique, 2025/26年ゼニト/RUS)、VOLアンドレ(André, 2025/26年ウルヴァーハンプトン/ENG)の3選手や、フルミネンセが制覇した2023年リベルタドーレスの主力VOLマルチネリ(Martinelli, 2025年フルミネンセ)など多くのタレントを輩出した2001年生まれ世代に劣らない質・量の有望選手の輩出が期待されている。
 次世代を期待される"エスクアドリーリャ07"の中でも、クラブ内では最大級の期待が寄せられているヒケウミ・フェリピ。
 2025年7月にはシーズン後半に向けたトップチーム登録枠のふるいに掛けられたものの、MFイザッキ・シウヴァ(Isaque Silva, 2005年8月7日現在12試合出場)、MFワラシ・ダヴィ(Wallace Davi, 2005年8月7日現在未デビュー)とともに生き残った。
 シーズン後半はトップチームの試合強度に慣れ、プレー面だけでなく精神的な成熟も期待される。

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